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全東信に融資した主な地銀・信組は?預金者が確認すべきポイントを解説

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クレジットカード決済代行会社の全東信の破産をめぐり、金融機関への影響が広がっています。

東京商工リサーチは、全東信が大阪地裁に提出した申立書の内容として、金融債権者は63社、貸付総額は1130億円だったと報じています。

破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出=準自己破産 | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ
大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

全体の負債総額は債権者115名に対して1151億6491万円で、申立書上の最大口は近畿産業信用組合の219億円とされています。

なお、申立書の債権額は確定債権とは異なり、担保や相殺などで大きく変わることもあると説明されています。

また、東和銀行は80億円、三十三銀行は50億円、大光銀行は15億円、高知銀行は12億円、島根銀行は8億円の全東信向け融資について、回収遅れや焦げ付きの恐れがあると報じられています。

こうしたニュースを見ると、預金者としては不安になるかもしれません。

「自分が使っている銀行は大丈夫?」
「信用組合に預けているお金は守られるの?」
「融資額が大きいと、預金も危ないの?」
「219億円や80億円という数字は、最終損失額なの?」

結論からいうと、全東信向けの債権があることだけで、その金融機関がすぐ危ないと決めつけることはできません。

ただし、預金者としては、どの金融機関にいくら預けているのか、預金保険制度の対象かどうかを確認しておくことが大切です。

なお、全東信の粉飾決算疑惑や債務超過の全体像については、こちらの記事で詳しく解説しています。
全東信はなぜ見抜けなかった?20年前から粉飾決算疑惑と600億円超債務超過の意味

この記事では、全東信に関係する金融機関への影響と、預金者が確認すべきポイントをわかりやすく解説します。

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全東信に融資していたと報じられた金融機関

最大口は近畿産業信用組合の219億円

東京商工リサーチによると、全東信の申立書上の金融債権者は63社で、貸付総額は1130億円とされています。

その中で、申立書上の最大口とされたのが近畿産業信用組合の219億円です。

この数字は非常に大きく、近畿産業信用組合を利用している人が不安になるのは自然です。

ただし、ここで注意したいのは、申立書に記載された債権額がそのまま最終損失額になるとは限らないことです。

担保で保全されている部分があるかもしれません。

相殺できる預金や債権があるかもしれません。

破産手続きの中で一部回収できる可能性もあります。

そのため、219億円という数字だけで、金融機関の安全性を判断するのは早計です。

近畿産業信用組合への影響や預金者が確認すべき点は、こちらの記事で詳しく解説しています。
近畿産業信用組合は大丈夫?全東信に219億円の最大債権と預金者への影響を解説

地銀でも回収遅れや焦げ付きの恐れが公表

全東信の影響は、地方銀行にも広がっています。

報道では、東和銀行が80億円の債権について取り立て不能または回収遅れの恐れがあると公表しました。

東和銀行の80億円は、2026年3月期末の連結純資産の8.83%にあたり、担保などで保全されていない58億8600万円について、2027年3月期に引当処理するとされています。

また、三十三フィナンシャルグループ傘下の三十三銀行は50億円を融資しており、うち約27億円を引当処理すると報じられています。

大光銀行は15億円、高知銀行は12億円、島根銀行は8億円の全東信向け融資について、焦げ付きの恐れがあるとされています。

これらは重要な情報ですが、ここでも「融資額=最終損失額」ではありません。

金融機関ごとに、担保、相殺、引当金、自己資本、回収見込みが違うためです。

東和銀行を含む地銀への影響や、預金者が不安になったときの見方はこちらの記事で詳しく整理しています。→ 全東信破産で東和銀行や地銀は大丈夫?預金者への影響と融資焦げ付きを解説

報じられている主な金融機関と金額

全東信をめぐっては、複数の金融機関への影響が報じられています。

ただし、以下の金額は報道や申立書上で確認されている債権額・融資額であり、

そのまま最終損失額になるとは限りません。

担保、相殺、破産手続きでの回収、貸倒引当金などによって、実際の損失額は変わる可能性があります。

金融機関名報じられている金額現時点での見方
近畿産業信用組合219億円申立書上の最大口と報道。ただし確定損失額ではない
東和銀行80億円回収遅れ・取り立て不能の恐れと公表。未保全部分の引当処理が報じられている
三十三銀行50億円融資額が報じられ、一部引当処理が報じられている
大光銀行15億円全東信向け融資に焦げ付きの恐れと報道
高知銀行12億円全東信向け融資に焦げ付きの恐れと報道
島根銀行8億円全東信向け融資に焦げ付きの恐れと報道

この表は、報道されている主な金融機関と金額を整理したものです。

金融機関の安全性を順位づけするものではありません。

また、債権額や融資額が大きいことだけで、その金融機関がすぐ危ないと判断することはできません。

預金者が確認すべきなのは、最終的な損失額、引当処理、自己資本への影響、そして自分の預金が預金保険制度の範囲内かどうかです。

債権額と最終損失額は違う

債権額は「貸している・請求できる金額」

債権額とは、簡単にいうと「相手に請求できる金額」です。

全東信に対して金融機関が貸していたお金や、返済を求められる金額が債権額として表れます。

ただし、債権額が大きいからといって、その全額が返ってこないと決まったわけではありません。

金融機関は融資をするときに、担保を取ったり、保証をつけたり、回収可能性を見たりします。

そのため、同じ100億円の債権でも、担保でほぼ保全されている場合と、無担保に近い場合では、実際の損失はまったく違います。

最終損失額は回収後に見えてくる

最終損失額とは、債権額から回収できた分を差し引いたあとに残る損失です。

たとえば、100億円の債権があっても、担保や破産手続きで60億円回収できれば、最終的な損失は40億円です。

逆に、回収できるものが少なければ、損失は大きくなります。

東京商工リサーチも、全東信の申立書の債権額は確定債権とは異なり、担保や相殺などで大きく金額が変わることがあると説明しています。

つまり、報じられている数字は重要ですが、預金者が見るべきなのは「その金額がそのまま損失になるのか」ではなく、「どれだけ保全され、どれだけ引当処理され、最終的に金融機関の自己資本にどれくらい影響するのか」です。

そもそも全東信の資金繰りや早期入金サービスの仕組みを知りたい方は、こちらの記事も参考になります。→ カードで払ったお金はすぐ店に入る?決済代行と早期入金の仕組みをわかりやすく解説

預金者が確認すべきポイント

その金融機関にいくら預けているか

預金者がまず確認すべきなのは、自分が同じ金融機関にいくら預けているかです。

預金保険制度では、普通預金や定期預金などの一般預金等について、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。

ここで大事なのは、「1口座ごと」ではなく「1金融機関ごと」という点です。

同じ銀行に普通預金と定期預金を持っている場合、それらは合算されます。

同じ信用組合の本店と支店に分けていても、同じ金融機関であれば合算されます。

そのため、同じ金融機関に1000万円を超える預金がある人は、預金の分散や決済用預金の利用を検討する余地があります。

1000万円を超える預金の扱いや、普通預金・定期預金の合算については、こちらの記事で詳しく解説しています。→ 預金が1000万円を超えたらどうなる?銀行破綻時の保護範囲と分散の考え方

預金保険の対象になる商品か

次に確認したいのは、自分が持っている商品が預金保険の対象かどうかです。

普通預金や定期預金などの一般預金等は、預金保険制度の対象です。

一方で、外貨預金や投資信託、保険商品などは、預金保険の対象外です。

また、決済用預金は全額保護されます。金融庁は、当座預金や利息の付かない普通預金等の決済用預金は全額保護されると説明しています。

ニュースで不安になったときほど、自分の預金が「一般預金等」なのか、「決済用預金」なのか、「対象外商品」なのかを分けて確認することが大切です。

信用組合の預金保護や、銀行との違いを基礎から知りたい方はこちらの記事で解説しています。
信用組合の預金は大丈夫?銀行との違いと預金保険制度をわかりやすく解説

金融機関名で不安になりすぎないために

「融資先の破綻」と「預金の保護」は別の話

金融機関が融資していた会社が破綻すると、当然その金融機関の決算には影響する可能性があります。

ただし、それは預金者の預金がすぐ危ないという意味ではありません。

金融機関には、貸倒引当金、担保、自己資本、収益力などがあります。

融資先の破綻による損失をどこまで吸収できるかは、金融機関ごとに異なります。

そのため、報道で名前が出た金融機関を利用しているからといって、すぐに預金を引き出すべきだと考える必要はありません。

まずは、公式発表や決算への影響、預金保険制度の範囲を確認することが重要です。

不安をあおる情報には注意

今回のように金融機関名が出るニュースでは、SNSなどで不安をあおる投稿が増えることがあります。

「この銀行は危ない」
「この信用組合はもうだめだ」
「すぐに預金を引き出した方がいい」

こうした断定的な情報には注意が必要です。

現時点で公表されているのは、全東信向けの債権額や回収遅れの恐れ、引当処理などです。

それだけで金融機関の破綻を断定することはできません。

大事なのは、数字を冷静に見ることです。

債権額はいくらか。

保全されていない金額はいくらか。

引当処理はいくらか。

自己資本に対してどの程度の影響か。

預金保険制度の範囲内か。

この順番で整理すると、不安に飲み込まれにくくなります。

なぜ全東信に多くの金融機関が関わったのか

早期入金ビジネスには大きな資金が必要だった

全東信は、飲食店などの加盟店に対して、カード売上を早期に入金するサービスを提供していました。

通常、カード決済の売上は、カード会社などから後日入金されます。

しかし、早期入金サービスでは、加盟店に対して先に資金を渡します。

加盟店にとっては便利です。

売上金を早く受け取れるため、仕入れ、人件費、家賃などに使いやすくなります。

一方で、全東信側には多額の立替資金が必要になります。

その資金を、多くの金融機関から調達していたと考えられます。

粉飾疑惑が与信判断を難しくした可能性

全東信については、少なくとも20年前から粉飾決算が続いていた可能性も報じられています。

帳簿上は純資産がプラスだった一方、実質的には約605億円の債務超過だった可能性があるとされています。

もし決算書が実態より良く見えていたなら、金融機関は与信判断を誤りやすくなります。

融資する側は、決算書や資金繰り、担保、取引実績を見て判断します。

その前提となる数字が歪んでいれば、リスクを正しく測ることは難しくなります。

全東信問題は、金融機関の審査だけでなく、決済代行会社のガバナンスや財務情報の信頼性にも関わる問題です。

粉飾決算の具体的な中身については、こちらの記事で詳しく解説しています。
全東信の粉飾決算とは?預金水増し・架空債権・未払金未計上をわかりやすく解説

経営陣がどこまで実態を把握していたのか、ガバナンス面の疑問はこちらの記事で整理しています。
全東信は誰が実態を知っていた?20年粉飾疑惑で問われる経営責任とガバナンス

個別金融機関ごとの見方

東和銀行・三十三銀行などは引当処理に注目

東和銀行については、全東信向け80億円の債権に回収遅れの恐れがあり、担保などで保全されていない58億8600万円を2027年3月期に引当処理すると報じられています。

三十三銀行についても、50億円の融資のうち約27億円を引当処理すると報じられています。

ここで見るべきなのは、融資額そのものだけではありません。

どれくらい保全されているのか。

引当処理でどれくらい損失に備えるのか。

自己資本や業績への影響はどの程度か。

今後の決算発表や公式開示を確認することが重要です。

大光銀行・高知銀行・島根銀行も最終損失額が焦点

大光銀行は15億円、高知銀行は12億円、島根銀行は8億円の全東信向け融資について、焦げ付きの恐れがあると報じられています。

これらの金額も、単純にそのまま最終損失になるとは限りません。

担保や回収可能性、引当処理、業績への影響を見ていく必要があります。

個別の金融機関名が出ると不安になりやすいですが、見るべきポイントは共通しています。

融資額ではなく、最終損失額。
最終損失額だけでなく、自己資本への影響。
預金者は、預金保険制度の範囲。

この3つです。

近畿産業信用組合や東和銀行については、それぞれ個別記事でも詳しく整理しています。
近畿産業信用組合は大丈夫?全東信に219億円の最大債権と預金者への影響を解説
全東信破産で東和銀行や地銀は大丈夫?預金者への影響と融資焦げ付きを解説

預金者が今すぐできること

自分の預金を一覧にする

不安を感じたときは、まず自分の預金を一覧にしてみるのがおすすめです。

どの金融機関に預けているか。

普通預金はいくらか。

定期預金はいくらか。

同じ金融機関で合計1000万円を超えていないか。

外貨預金や投資信託など、預金保険の対象外商品を持っていないか。

事業用資金や生活費が一つの金融機関に偏っていないか。

ここを整理すると、必要以上に不安にならずに済みます。

1000万円超なら分散や決済用預金を検討

同じ金融機関に1000万円を超える一般預金等がある場合は、分散を考える余地があります。

別の金融機関に分ける。

決済用預金を使う。

生活資金と事業資金を分ける。

使う予定のあるお金と長期資金を分ける。

こうした方法があります。

ただし、慌てて動く必要はありません。

預金保険制度の仕組みを確認したうえで、自分に合った管理を考えることが大切です。

金融機関名の一覧を見て不安になったときの注意点

本文:

金融機関名と金額が一覧で並ぶと、不安を感じやすくなります。

しかし、一覧に名前があることだけで、その金融機関がすぐ危ないと判断することはできません。

見るべきなのは、債権額だけではなく、担保、相殺、引当処理、自己資本への影響、公式発表です。

また、こうしたニュースに便乗して、「この金融機関は危ない」「預金を移した方がいい」と不安をあおる情報が出る可能性もあります。

金融機関からの連絡に見えても、暗証番号、キャッシュカード、ワンタイムパスワード、資金移動を求める内容には応じないでください。

確認するときは、必ず公式サイトや通帳に記載された正規の窓口を使いましょう。

預金保険制度や1000万円を超える預金の考え方を先に知っておくと、不安をあおる情報にも振り回されにくくなります。→ 預金が1000万円を超えたらどうなる?銀行破綻時の保護範囲と分散の考え方

まとめ

全東信の破産をめぐり、近畿産業信用組合、東和銀行、三十三銀行、大光銀行、高知銀行、島根銀行など、複数の金融機関への影響が報じられています。

東京商工リサーチによると、全東信の申立書上の金融債権者は63社、貸付総額は1130億円で、最大口は近畿産業信用組合の219億円です。

また、東和銀行は80億円、三十三銀行は50億円、大光銀行は15億円、高知銀行は12億円、島根銀行は8億円の全東信向け融資について、回収遅れや焦げ付きの恐れがあると報じられています。

ただし、債権額や融資額がそのまま最終損失額になるとは限りません。

担保、相殺、回収可能性、引当処理、自己資本への影響を見る必要があります。

預金者がまず確認すべきなのは、自分の預金です。

同じ金融機関に1000万円を超えていないか。

預金保険制度の対象商品か。

決済用預金を使っているか。

外貨預金や投資信託など、対象外商品を持っていないか。

金融機関名が報じられると不安になりますが、まずは「融資先の問題」と「預金保険制度」を分けて考えることが大切です。

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