「停電したけれど、スマホの充電があと30%しかない」
「電気がいつ復旧するか分からない。スマホの電池を長持ちさせるには?」
「Wi-Fiが使えないとき、モバイル通信を切った方がいいの?」
停電すると、スマートフォンは家族との連絡や情報収集に欠かせない道具になります。
ところが、普段どおりに動画を見たり、何度もニュースを更新したりしていると、バッテリーは減っていきます。
結論からいうと、停電中はまず省電力モードをオンにし、画面の明るさと使用時間を抑え、必要のない通信やアプリの動作を減らすことが大切です。
ただし、節電のためにすべての通信を切ってしまうと、緊急の連絡や防災情報を受け取れなくなるおそれがあります。
大切なのは、スマホを単に使わないことではなく、必要なときに使える電池を残しておくことです。
この記事では、iPhone・Androidの節電設定、停電中に避けたい使い方、モバイルバッテリーの選び方、電池が少なくなったときの優先順位をわかりやすく解説します。
停電中にスマホの電池を長持ちさせる方法
停電が起きたら、まずは新しい機器を買わなくてもできる節電から始めましょう。
スマホの電池を節約するには、大きく分けて「画面」「通信」「アプリの動作」を見直すことが効果的です。
省電力モードを最初にオンにする
多くのスマートフォンには、電池の消費を抑える機能があります。
iPhoneでは「低電力モード」、Androidでは「バッテリーセーバー」「省電力モード」などの名称で用意されています。
これらを利用すると、バックグラウンドで動く機能や一部の処理が制限され、電池を節約できる場合があります。
ただし、機種によってはアプリの更新や通知、通信処理などが遅れる場合があります。
停電中に利用する場合は、家族との連絡や防災アプリなど、必要な通知を確認できるようにしておきましょう。
画面の明るさを下げ、使う時間を短くする
スマホは画面を点灯させている間も電力を消費します。
そのため、画面の明るさを下げ、必要のないときはすぐ消灯する設定にすると節電に役立ちます。
例えば、ニュースを何度も読み直す代わりに、必要な情報だけを確認して画面を消す方法があります。
ただし、暗くしすぎて画面が見えにくくなると操作を誤る可能性があります。周囲の明るさに合わせて調整しましょう。
動画やゲームなど電池を使いやすい操作を控える
動画視聴、ゲーム、長時間のビデオ通話、地図アプリの連続使用などは、使用状況によって電池を多く消費します。
停電中は、娯楽としての動画視聴などを控え、必要な情報収集や連絡に電池を回すことが大切です。
情報を確認するときも、動画ニュースより文字中心のページを利用した方が、使用条件によっては電池や通信量を抑えやすくなります。
iPhoneで電池を減らさないための設定方法
iPhoneには、バッテリーの消費を抑えるための低電力モードがあります。
Appleも、電池残量が少なくなった場合に低電力モードを利用することで、駆動時間を延ばせると案内しています。
低電力モードをオンにする
設定方法はiPhoneの機種やOSによって多少異なります。
iPhone 14以前の一般的な手順
- 「設定」を開く
- 「バッテリー」を選択する
- 「低電力モード」をオンにする
iPhone 15以降の一般的な手順
- 「設定」を開く
- 「バッテリー」を選択する
- 「電力モード」を選択する
- 「低電力モード」をオンにする
低電力モードをオンにすると、対応するiPhoneではバッテリーのアイコンが黄色になります。
Appleによると、低電力モードではアプリのバックグラウンド更新や自動ダウンロードなど、一部の機能が制限されます。
なお、メニューの名称や配置はOSのバージョンによって異なる場合があります。
参考:Apple公式|低電力モードでバッテリーを長持ちさせる方法
画面の明るさと自動ロックを見直す
画面を必要以上に明るくしたり、操作していない間も長く点灯させたりすると、電池の消費につながります。
iPhoneの「設定」から画面の明るさを調整し、必要に応じて自動ロックまでの時間を短くしましょう。
低電力モードでは、自動ロックなどの設定が省電力向けに調整される場合があります。
バッテリーの使用状況を確認する
「設定」の「バッテリー」では、アプリなどによる電池の使用状況を確認できます。
極端に電池を消費しているアプリがあれば、停電中は利用を控える判断材料になります。
ただし、必要な連絡アプリや防災アプリを、消費電力が多いという理由だけで停止するのは避けましょう。
Androidで電池を減らさないための設定方法
Androidにも、電池の消費を抑えるための省電力機能があります。
ただし、Androidはメーカーや機種によって設定画面が異なります。
バッテリーセーバーや省電力モードをオンにする
GoogleのAndroidヘルプでは、次のような方法が案内されています。
- 「設定」アプリを開く
- 「電池」または「バッテリー」を選択する
- 「バッテリーセーバー」を選択する
- 必要に応じて機能をオンにする
機種によっては「省電力モード」「省エネモード」など、異なる名称の場合があります。
バッテリーセーバーをオンにすると、バックグラウンドの活動や一部の機能が制限され、電池を節約できる場合があります。
ただし、アプリの通知やネットワーク接続に遅れが生じることもあります。
参考:Google公式|Androidデバイスの電池を長持ちさせる
画面・アプリの電池消費を見直す
GoogleはAndroidの節電方法として、次のような設定も紹介しています。
- 画面が早めに消えるようにする
- 画面の明るさを下げる
- 不要な振動や操作音を減らす
- 電池消費の多いアプリを制限する
ただし、すべての設定がすべてのAndroid端末に搭載されているわけではありません。
利用している機種の設定画面やメーカーのサポート情報を確認してください。
ダークモードだけに頼らない
Androidでは、ダークモードが節電に役立つ場合があります。
ただし、節電効果は画面の種類や明るさ、利用するアプリなどによって異なります。
ダークモードにしたからといって、すべての機種で大幅に電池が長持ちするわけではありません。
まずは省電力モードと画面の明るさを優先して見直しましょう。
停電中はWi-Fi・モバイル通信・機内モードをどう使う?
停電中の節電で迷いやすいのが、通信設定です。
「Wi-Fiを切るべき?」「モバイルデータ通信を使わない方がいい?」と悩む人もいるでしょう。
ここは、通信できる状態によって対応が変わります。
自宅のWi-Fiが使えない場合は接続状況を確認する
一般的な家庭では、停電するとWi-FiルーターやONUの電源が切れ、固定回線のインターネット接続が使えなくなる場合があります。
その場合、スマホのモバイルデータ通信が利用できれば、そちらで情報を確認できます。
使えないWi-Fiへ何度も接続しようとするより、接続状況を確認して必要な通信手段を選びましょう。
ただし、Wi-Fiをオフにすること自体が、すべての機種や状況で大きな節電になるわけではありません。
詳しくは停電するとWi-Fiは使えない?ルーター・ONU・スマホ回線の違いと対策で説明しています。
電波が弱い場所では通信方法を工夫する
携帯電話の電波が弱い場所では、端末が通信を維持しようとして電池の消費が増える場合があります。
利用できる安全な場所の中で電波が安定する位置を探すことも、通信の確保に役立ちます。
ただし、停電や災害の際に、電波を探すため屋外の危険な場所へ移動する必要はありません。
安全を優先してください。
機内モードは連絡が不要な場面に限って使う
機内モードは、携帯電話の通信機能を制限することで、電池の消費を抑えるのに役立つ場合があります。
しかし、携帯電話の通信をオフにすると、通常の電話やSMS、モバイル通信による通知を受け取れなくなります。
そのため、家族からの連絡や避難情報を待っている場合は、安易に機内モードにしないようにしましょう。
なお、機内モード中でも機種や設定によってWi-FiやBluetoothを個別に利用できる場合があります。
節電のために通信を切るより、必要な連絡を受け取れる状態を守ることが重要です。
スマホの電池が残り少ないときに優先すること
例えば、停電中にスマホの電池が20%しか残っていなかったら、何を優先すればよいのでしょうか。
正解は一つではありませんが、緊急性の高いことから考えましょう。
家族との連絡と安全確認を優先する
まず、安全な場所にいるか確認し、必要なら家族などへ連絡しましょう。
停電の復旧情報や自治体の防災情報など、生活や安全に必要な情報も確認します。
ただし、同じ情報を何度も更新する必要はありません。
連絡や確認が終わったら、画面を消して電池の消費を抑えましょう。
必要な情報を保存しておく
停電中や通信障害時は、インターネットへ接続できなくなる場合もあります。
住所、連絡先、避難場所など、必要な情報をオフラインでも確認できるようにしておくと安心です。
例えば、必要な情報をスクリーンショットとして保存する方法があります。
ただし、口座の暗証番号やパスワードなどを、誰でも見られる状態で保存することは避けてください。
使う時間を決めてスマホを休ませる
電池が残り少ないときは、スマホを常に操作し続けるのではなく、確認する時間を決めることも一つの方法です。
例えば、必要な情報をまとめて確認し、終わったら画面を消します。
また、緊急の連絡を受け取る必要がある場合は、通知を完全に無効にするのではなく、必要なものだけ残すようにしましょう。
停電中にスマホを充電する方法
節電だけで長時間の停電に対応するには限界があります。
そのため、普段から充電手段を用意しておくことも大切です。
モバイルバッテリーで充電する
モバイルバッテリーは、停電中のスマホ充電に利用しやすい備えの一つです。
ただし、スマホに適合する端子や出力に対応した製品を選ぶ必要があります。
また、表示されているバッテリー容量をすべてスマホの充電に使えるわけではありません。
電力変換や充電時の損失などによって、実際に利用できる電力量は減ります。
ポータブル電源を利用する
家庭にポータブル電源がある場合は、対応する出力端子からスマホを充電できる場合があります。
製品によってはUSB端子や家庭用ACコンセントを備えています。
ただし、出力や充電方法、使用可能時間などは製品ごとに違います。
また、スマホの充電だけが目的なら、大きなポータブル電源が必ず必要というわけではありません。
車から充電する場合の注意点
車に対応するUSB端子や電源設備があれば、スマホを充電できる場合があります。
ただし、使用方法によっては車の補機バッテリーが上がる原因になることがあります。
また、密閉された車庫や換気の悪い場所でエンジンをかけて充電することは、一酸化炭素中毒のおそれがあるため危険です。
大雪でマフラー周辺が雪に埋まっている場合も危険があります。
車を充電手段として使うなら、車種ごとの取扱説明書と安全上の注意を確認してください。
停電用モバイルバッテリーの選び方
ここからは、備えとしてモバイルバッテリーを選ぶときのポイントを説明します。
購入前に知っておきたいのは、容量だけで製品の良し悪しは決まらないということです。
何回充電したいかで容量を考える
モバイルバッテリーの容量は、mAh(ミリアンペアアワー)で表示されることが多くあります。
一般的には、容量が大きいほど蓄えられる電力量が増える傾向があります。
ただし、10,000mAhのモバイルバッテリーで、5,000mAhのスマホを必ず2回満充電できるわけではありません。
モバイルバッテリー内部の電池電圧、電力変換の損失、スマホの充電中の消費電力などが関係するためです。
充電回数の目安を比較するときは、メーカーの公表値や対応機種を確認しましょう。
端子と出力がスマホに合っているか確認する
モバイルバッテリーを選ぶ際は、スマホに接続できる端子があるか確認してください。
USB Type-Cなどの端子に対応していても、製品によって出力や充電速度が異なります。
また、急速充電を利用するには、スマホ、ケーブル、バッテリーのそれぞれが対応している必要があります。
停電用として購入するなら、普段使っている充電ケーブルも一緒に確認しておくと安心です。
PSEマークとメーカーの情報を確認する
モバイルバッテリーは、リチウムイオン電池を使用する製品が多く、取り扱いを誤ると発熱や発火などの事故につながるおそれがあります。
経済産業省は、対象となるモバイルバッテリーについて、PSEマークの確認やリコール情報の確認を呼びかけています。
購入時は次の点を確認しましょう。
- PSEマークが表示されているか
- 製造・販売元の情報が明確か
- 保証や問い合わせ窓口があるか
- リコール対象になっていないか
- スマホの充電仕様に対応しているか
ただし、PSEマークがあるからといって、絶対に事故が起きないという意味ではありません。
異常な発熱、膨張、破損などが見られる場合は、使用を中止し、製品の案内に従って対処してください。
停電への備えはスマホの電池だけで十分?
スマホの充電を確保することは重要ですが、それだけで停電対策が完成するわけではありません。
通信設備そのものが停止した場合、スマホの電池が残っていてもインターネットにつながらないことがあるからです。
光回線を使い続けたい場合はONUとルーターも考える
自宅のWi-Fiを停電中も使いたい場合は、ONUやルーターなど、通信に必要な機器の電源も考える必要があります。
UPSやポータブル電源が候補になる場合もありますが、接続機器の消費電力や電源仕様を確認しなければなりません。
詳しくは停電でもWi-Fiを使うには?ONU・ルーターの予備電源とUPSの選び方で解説しています。
現金や連絡先など、通信以外の備えも考える
停電や通信障害によって、一部の店舗でキャッシュレス決済が使えなくなったり、ATMが利用できなくなったりする場合があります。
必要な少額の現金や、オフラインでも確認できる連絡先を備えておくと役立ちます。
ただし、噂だけを理由に大量の現金を引き出す必要はありません。
詳しくは停電や通信障害でキャッシュレス決済は使える?ATMと現金の備えで説明しています。
停電中のスマホについてよくある質問
Q. 電池が何%になったら省電力モードを使うべきですか?
停電中は、電池が少なくなる前に省電力モードを使うこともできます。
ただし、通知やアプリの動作に影響する場合があるため、必要な連絡を受け取れるか確認してください。
Q. スマホの電源を切った方が電池は長持ちしますか?
電源を切れば、通常の待機状態より電池の消費を抑えられる場合があります。
ただし、電源を切っている間は電話やSMSなどを受け取れません。
安全確認や連絡が必要な場合は、電源を切ることが最善とは限りません。
Q. 機内モードにすれば節電できますか?
機内モードで通信機能を制限することで、節電に役立つ場合があります。
ただし、電話やSMS、モバイル通信を利用できなくなるため、緊急連絡や必要な通知を待っている場合は注意が必要です。
Q. Wi-Fiを切ると電池が長持ちしますか?
通信状況や機種によって異なります。
Wi-Fiをオフにしただけで必ず大幅に節電できるわけではありません。
まずは省電力モード、画面の明るさ、アプリの利用時間を見直しましょう。
Q. 10,000mAhのモバイルバッテリーなら何回充電できますか?
スマホの電池容量やモバイルバッテリーの仕様、電力変換時の損失などによって異なります。
単純に容量を割り算した回数だけ充電できるとは限りません。
メーカー公表の目安や対応機種を確認しましょう。
Q. 大雪による停電でもスマホを使えますか?
スマホに電池が残り、携帯電話の基地局などが正常に動いていれば、通信できる場合があります。
ただし、大雪によって停電や通信設備の障害が発生すると、利用できなくなることもあります。
大雪が停電につながる仕組みは、大雪で停電するのはなぜ?着雪・倒木・電線トラブルの仕組みと備えで紹介しています。
まとめ|停電中はスマホの電池を「必要な連絡のため」に残そう
停電中にスマホの電池を長持ちさせたい場合は、まず無料でできる設定から始めましょう。
特に重要なのは次の5つです。
- 省電力モードをオンにする
- 画面の明るさを下げ、使用時間を短くする
- 動画やゲームなど電池を使いやすい操作を控える
- 必要な連絡を受け取れる通信設定を維持する
- モバイルバッテリーなどの充電手段を普段から確保する
スマホの電池を節約することは、単に長く使うためだけではありません。
家族への連絡や、停電・災害の情報を確認するための手段を残しておくことにつながります。
大切なのは、電池を1%でも減らさないことではなく、必要なときにスマホを使える状態を守ることです。
関連記事|停電・通信障害・充電の備え
停電時の通信や電源の確保について、さらに詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
- 停電するとWi-Fiは使えない?ルーター・ONU・スマホ回線の違いと対策
- 停電でもWi-Fiを使うには?ONU・ルーターの予備電源とUPSの選び方
- ネットが使えなくなったらどうする?Wi-Fi・通信障害・停電の確認順と備え
- 停電や通信障害でキャッシュレス決済は使える?ATMと現金の備え
- 台風で停電するのはなぜ?強風・倒木・電線トラブルの仕組み
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参考資料
- Apple|iPhoneやiPadで低電力モードを使ってバッテリーを長持ちさせる
- Google|Androidデバイスの電池を長持ちさせる
- Apple|iPhoneやiPadのバッテリーの減りが早い場合
- 経済産業省|リチウムイオン蓄電池搭載製品の事故に気をつけましょう
- 国民生活センター|モバイルバッテリーのPSEマークについて
※本記事は2026年10月時点の公式情報をもとに作成しています。設定項目や節電効果はスマートフォンの機種、OS、通信状況などによって異なります。
