企業から、
「個人情報が流出した可能性があります」
という連絡を受けたあと、
知らない番号から電話が来るようになった
怪しいSMSが増えた気がする
と感じる人もいるかもしれません。
すると、
「これって情報流出が原因?」
「電話番号が漏れたから詐欺師に狙われている?」
と不安になりますよね。
ただし、怪しい電話やSMSが来たからといって、必ずその情報流出が原因とは限りません。
迷惑電話やフィッシングSMSは、情報流出とは関係なく大量に送られることもあります。
一方で、氏名・電話番号・メールアドレス・住所などが流出すると、それらの情報を使ってより本物らしい詐欺を仕掛けられる可能性はあります。
この記事では、個人情報流出と怪しい電話・SMSの関係、なぜ相手が自分の名前を知っていることがあるのか、そして安全な対処法をわかりやすく解説します。
個人情報流出後に怪しい電話やSMSが来る理由
個人情報が流出すると、第三者がその情報を悪用する可能性があります。
ただし、単に電話番号を知っただけで重大な被害が起きるとは限りません。
問題になるのは、電話番号にほかの情報が加わった場合です。
電話番号が知られると直接連絡できる
電話番号が分かれば、当然その番号へ電話やSMSを送ることができます。
たとえば、
「重要なお知らせがあります」
「本人確認が必要です」
「アカウントが停止されます」
など、不安をあおる連絡を送ることができます。
電話番号だけでは相手の詳しい情報が分からなくても、大量に連絡して反応した人を狙う手口もあります。
氏名まで分かると本物らしくなる
電話番号だけでなく氏名も分かっていたらどうでしょうか。
突然、
「山田太郎さんのお電話でよろしいでしょうか」
と言われれば、何も知らない相手より信用しやすくなります。
さらに、
「○○サービスをご利用ですよね」
などと言われると、
本当にその会社から連絡が来たのかもしれない
と思ってしまう人もいるでしょう。
相手が自分の名前を知っていることは、その相手が本物である証拠にはなりません。
住所や生年月日まで知られるとさらに信用しやすくなる
氏名だけなら、何かの名簿から入手した可能性も考えられます。
しかし、
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
まで言い当てられると、
「ここまで知っているなら本物だろう」
と考えてしまいやすくなります。
ここが、複数の個人情報が流出したときに注意したいポイントです。
名寄せされると詐欺が本物らしくなる
個人情報流出を考えるうえで重要なのが名寄せです。
名寄せとは、別々の場所にある情報を同じ人物のものとして結び付けることです。
たとえば、
Aのデータ
- 氏名
- 住所
Bのデータ
- 電話番号
- メールアドレス
Cのデータ
- 生年月日
- 利用サービス
があったとします。
これらが同じ人物だと分かれば、
氏名+住所+電話番号+メールアドレス+生年月日+利用サービス
という、より詳しい情報になります。
こうなると、
「○○サービスをご利用の山田さんですね」
など、より具体的な話を作りやすくなります。
名寄せについて詳しく知りたい人はこちらで解説しています。
名寄せとは?個人情報流出で何が危険?仕組みと悪用リスクをわかりやすく解説
名寄せを知ると、
「相手が自分のことを知っている=本物」ではない
ということが分かりやすくなります。
個人情報流出後に使われやすい電話のパターン
個人情報を知られている場合、その情報を信用させる材料として使われることがあります。
特に注意したい電話のパターンがあります。
「本人確認が必要です」
よくあるのが、
「本人確認のため、生年月日をお願いします」
「本人確認のためSMSに届いた番号を教えてください」
というパターンです。
ここで注意したいのは、
相手がすでに知っている情報と、まだ知らない情報を区別すること
です。
たとえば相手が氏名と住所だけ知っていて、生年月日は知らないかもしれません。
そこで自分から生年月日を答えると、相手の持っている情報を完成させることになります。
でも詳しく解説しています。
「あなたの口座が犯罪に使われています」
もう一つ注意したいのが、
「あなたの口座が犯罪に使われています」
という言葉です。
これは強い不安を与える言葉なので、冷静な判断が難しくなります。
さらに相手が自分の名前や住所を知っていれば、
「本当に警察なのでは?」
と思いやすくなります。
しかし、そこで口座番号や暗証情報を聞かれても答えてはいけません。
「あなたの口座が犯罪に使われています」は詐欺!典型文句と正しい対処法
もあわせて確認してください。
「カードが不正利用されています」
クレジットカード会社を名乗り、
「不正利用を検知しました」
「本人確認が必要です」
と電話してくるパターンもあります。
本当にカード会社から連絡が来ることもあります。
そのため難しいのですが、相手が自分の名前を知っているだけで信用してはいけません。
いったん電話を切り、自分で公式窓口を確認してください。
で判断方法を詳しく解説しています。
個人情報流出後に注意したいSMSのパターン
電話だけでなく、SMSにも注意が必要です。
SMSは短い文章で緊急性を感じさせ、リンクを押させる手口と相性がいいからです。
「情報流出のお詫びはこちら」
実際に情報流出事件が起きると、
「補償手続きはこちら」
「流出対象者へのお詫び」
など、本物の事件に便乗したSMSが送られる可能性があります。
事件自体が本物でも、そのSMSまで本物とは限りません。
リンクを押す前に、公式サイトを自分で開いて確認しましょう。
「アカウントを停止します」
「24時間以内に確認してください」
「利用停止予定です」
など、期限を示して焦らせるSMSもあります。
焦ってリンクを押すと、企業そっくりの偽サイトへ誘導されることがあります。
そこで、
- ID
- パスワード
- カード番号
- SMS認証コード
などを入力すると、さらに重要な情報を渡してしまう可能性があります。
「本人確認を完了してください」
情報流出事件の後は、
「セキュリティ強化のため本人確認が必要です」
という言葉も本物らしく感じます。
しかし、これも詐欺に利用しやすい表現です。
本人確認が本当に必要なのかは、SMS内のリンクではなく、企業の公式アプリや公式サイトから確認しましょう。
怪しい電話が増えても情報流出が原因とは限らない
ここは大事なところです。
個人情報流出が発表された翌日に迷惑電話が来たからといって、
「この流出事件のせいだ」
と断定することはできません。
迷惑電話は、
- 無作為な番号への大量発信
- 過去に作られた名簿
- 別の情報流出
- 営業電話
- 自動発信システム
など、さまざまな理由でかかってきます。
つまり、
怪しい電話が来た=今回の情報流出が原因
とは限りません。
重要なのは原因を特定することではなく、
怪しい電話が来たときに情報を追加で渡さないこと
です。
知らない電話番号への基本的な対応は、
知らない電話番号の完全対処法|安全な調べ方と効果的な迷惑電話対策
でも解説しています。
個人情報流出後の電話・SMSでやってはいけないこと
情報流出後は不安になっているため、詐欺師にとっては狙いやすいタイミングでもあります。
焦って行動しないことが重要です。
SMSに届いたリンクをすぐ開く
「あなたは流出対象です」
と言われると、自分が対象か確認したくなります。
しかし、その心理を利用して偽サイトへ誘導する可能性があります。
確認したい場合は、企業名を検索するなどして、公式サイトを自分で開きます。
認証コードを相手に教える
SMSで届く認証コードは、本人確認に使われる重要な情報です。
電話の相手から、
「今届いた6桁の番号を読み上げてください」
と言われても、簡単に教えないようにしましょう。
本人になりすましてログインや手続きを進めるために、認証コードを聞き出そうとしている可能性があります。
相手が知っていない情報を追加する
これも重要です。
相手が、
「山田さん、○○市にお住まいですよね」
と言ったあと、
「確認のため生年月日をお願いします」
と聞いてくることがあります。
このとき、
「住所まで知っているから本物だ」
と思って答えるのは危険です。
相手は生年月日を知らない可能性があります。
自分から情報を補完しない
ことを覚えておきましょう。
怪しい電話・SMSが来たときの対処法
不審な連絡が来た場合は、内容を見て慌てるのではなく、確認手順を決めておくと安全です。
その場では何も答えない
知らない相手から、
- 生年月日
- 住所
- 口座番号
- カード番号
- 暗証情報
- 認証コード
などを求められても、その場では答えないようにします。
本当に必要な連絡であれば、後から公式窓口を使って確認できます。
いったん電話を切る
電話では相手のペースで話が進みます。
「切らないでください」
「今すぐ確認しないと危険です」
と言われても、いったん切って構いません。
企業、警察、銀行などを名乗っている場合は、自分で公式サイトから連絡先を確認します。
公式窓口へ自分から連絡する
たとえば銀行を名乗る電話なら、相手が伝えた番号へ折り返すのではなく、
- 銀行公式サイト
- 公式アプリ
- キャッシュカード等に記載された正規窓口
などから確認します。
警察を名乗る電話も同様です。
も参考にしてください。
免許証画像まで流出している場合は特に注意
電話番号やメールアドレスだけでなく、運転免許証画像などの本人確認書類まで流出している場合は、より多くの本人情報が知られている可能性があります。
運転免許証には、
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 顔写真
- 免許証番号
などが記載されています。
そのため相手が、
「あなたの生年月日は○年○月○日ですよね」
などと具体的な情報を話す可能性もあります。
しかし、それでも相手が本物である証拠にはなりません。
免許証画像流出の危険性については、
運転免許証の画像が流出すると何に悪用される?危険性と今すぐできる対策
で詳しく解説しています。
再発行について気になる場合はこちらです。
免許証の情報が流出したら再発行すべき?番号は変わる?できる対策を解説
個人情報が流出したと分かったら何をする?
電話やSMSだけでなく、情報流出全体への対応を知りたい場合は、まず流出した情報の種類を確認します。
そのうえで、
- パスワード
- メール
- SMS
- 電話
- 身に覚えのない契約
- ログイン通知
などを確認していきます。
流出直後に何を確認すればよいかは、こちらでまとめています。
個人情報が流出したら何をする?今すぐ確認したい対策とやってはいけないこと
「とにかく全部変更する」のではなく、何が漏れたかを確認してから対応することが大切です。
怪しい電話が来る前にできる対策
実際に詐欺電話が来てから判断するより、普段からルールを決めておくほうが安全です。
知らない番号にはすぐ折り返さない
不在着信があると気になりますが、知らない番号だからといってすぐ折り返す必要はありません。
留守番電話やSMSが残っていないか確認し、必要なら番号を調べます。
折り返し誘導の電話については、
「折り返してください」は危険?折り返し誘導の電話が詐欺な理由
も参考になります。
自動音声に従って番号を押さない
「1番を押してください」
「担当者につなぐ場合は○番」
などの自動音声にも注意が必要です。
不審な自動音声については、
で詳しく解説しています。
迷惑電話をブロックする
明らかな迷惑電話が繰り返される場合は、端末側で着信拒否や迷惑電話対策を利用できます。
迷惑電話を完全に止める方法|iPhone/Android/固定電話別・最強設定ガイド
もあわせて確認してください。
個人情報流出後に一番覚えておきたいこと
情報流出後に一番危険なのは、
「相手が自分の情報を知っているから信用してしまうこと」
です。
詐欺というと、
「あなたは誰ですか?」
とすぐ分かるような怪しい電話を想像するかもしれません。
しかし、個人情報を知っている相手なら、
「山田太郎さんですね」
「○○市にお住まいですね」
「○○サービスを使っていますね」
と、最初から正しい情報を話すことができます。
すると警戒心が下がります。
そこで、
「本人確認のため」
と言われ、新しい情報を答えてしまう。
これが危険です。
知っている情報を言われても、知らない情報をこちらから足さない。
これを覚えておくだけでも、詐欺への耐性はかなり変わります。
まとめ
個人情報流出後に怪しい電話やSMSが増えたように感じても、そのすべてが流出事件と関係しているとは限りません。
一方で、流出した情報が詐欺に利用される可能性はあります。
特に注意したいのは、
- 電話番号が分かれば直接連絡できる
- 氏名が分かると本物らしい電話を作れる
- 住所や生年月日まで分かるとさらに信用しやすくなる
- 名寄せによって複数の情報が結び付く可能性がある
- 「本人確認」を理由に不足情報を聞き出されることがある
- SMSのリンクから偽サイトへ誘導される可能性がある
- 相手が自分の情報を知っていても本物とは限らない
- 認証コードや暗証情報を電話で教えない
- 公式窓口は自分で調べて確認する
という点です。
情報流出が起きた後は、
「知られている情報」より、「これから自分が何を追加で渡してしまうか」
を意識することが大切です。
相手が自分について詳しく知っているときほど、その場で判断せず、いったん電話やメッセージから離れて公式情報を確認しましょう。

