「停電したらWi-Fiも使えなくなるの?」
「光回線は電柱から来ているから、家の電気が止まってもネットは使えるのでは?」
「スマホなら停電中でもインターネットにつながる?」
普段は何気なく使っているWi-Fiですが、いざ停電となると、どこまで使えるのか分かりませんよね。
結論からいうと、一般的な家庭では停電によってWi-FiルーターやONUの電源が切れるため、そのままでは自宅のWi-Fiを使ったインターネット接続ができなくなります。
一方、スマートフォンの4G・5Gなどのモバイル通信は、自宅のWi-Fiとは別の仕組みです。携帯電話の基地局などが正常に動いていれば、停電中でも利用できる場合があります。
また、ONUやルーターに適切な予備電源を用意することで、自宅の光回線を利用し続けられる可能性もあります。
この記事では、停電時のWi-Fi、光回線、スマホ回線の違いを身近なたとえで説明し、停電中の通信手段、復旧後の対処法、予備電源の選び方まで解説します。
停電するとWi-Fiはどうなる?
最初に、よくある誤解を整理しましょう。
実は「Wi-Fiが使える」という言葉には、家庭内の機器がつながることと、インターネットが使えることの2つの意味があります。
Wi-Fiルーターの電源が切れると接続できなくなる
自宅のWi-Fiルーターは、通常コンセントから電気を供給されています。
停電によって電源が切れれば、ルーターはWi-Fiの電波を出せなくなります。
そのため、スマホのWi-Fi接続が切れたり、ネットに接続できなくなったりします。
なお、バッテリーを搭載したモバイルWi-Fiルーターなどは、電池が残っていれば動作を続ける場合があります。ただし、その先の通信回線が利用できることが必要です。
Wi-Fiとインターネットは同じではない
Wi-Fiとは、スマホやパソコンなどを無線でネットワークにつなぐ技術のことです。
一方、インターネットは、世界中のネットワークがつながった仕組みです。
身近なたとえでいうと、Wi-Fiは家の中の通路、インターネット回線は外の道路です。
家の中の通路が通れても、外へ出る道路が使えなければ、目的地には行けません。
反対に、外の道路が正常でも、家の中の通路が使えなければ移動できません。
つまり、Wi-Fiルーターだけ動いていても、インターネットにつながるとは限らないのです。
ネットが突然使えなくなったときの基本的な確認順は、ネットが使えなくなったらどうする?Wi-Fi・通信障害・停電の確認順と備えで詳しく解説しています。
光回線は停電すると使えないの?
「光ファイバーは電気ではなく光で通信しているのだから、停電しても大丈夫なのでは?」
そう思うかもしれません。
確かに光ファイバーは光信号を使いますが、通信に必要な機器まで電源なしで動くわけではありません。
ONUにも電気が必要
光回線を利用する家庭では、ONUという装置が使われることがあります。
ONUは、光ファイバーから届く光信号と、家庭内の機器で使う通信信号を変換する装置です。
このONUも、通常は電源が必要です。
そのため、ONUとWi-Fiルーターが別々に設置されている家庭では、両方の機器が正常に動いていなければ、光回線でのインターネット接続は利用できません。
最近はONUやルーターの機能が一体になったホームゲートウェイを利用する家庭もあります。
機器の構成によって必要な電源の数は異なるため、まず自宅に何台の通信機器があるのか確認しましょう。
家の機器だけ動かしてもつながらない場合がある
仮に予備電源でONUとルーターを動かせたとしても、必ずネットが使えるとは限りません。
通信事業者側の設備が停電や故障の影響を受けていれば、自宅の機器だけが正常でも通信できない場合があるからです。
NTT東日本も、家庭内が停電していなくても通信設備側の停電によってサービスを利用できなくなる場合があると案内しています。
たとえるなら、自宅の電気自動車を十分に充電していても、道路が通行止めなら先へ進めないのと同じです。
予備電源は役立つ備えですが、通信回線そのものの障害を解決するものではありません。
停電中でもスマホのインターネットは使える?
自宅のWi-Fiが使えなくなっても、スマホまで必ず通信できなくなるわけではありません。
スマートフォンには、Wi-Fi以外の通信手段があります。
4G・5Gは自宅のWi-Fiとは別の仕組み
スマートフォンのモバイルデータ通信は、携帯電話会社の基地局などを使って通信します。
そのため、自宅のWi-Fiルーターが停電で動かなくなっても、基地局や関連設備が正常であれば、4G・5Gでインターネットにつながる場合があります。
ただし、スマホに電池が残っていることや、利用する場所に電波が届いていることなどが条件です。
また、スマートフォンの契約内容によってはモバイルデータ通信が利用できない場合もあります。
基地局も停電の影響を受ける場合がある
携帯電話の基地局も、電気を必要とする設備です。
停電に備えたバックアップ電源を持つ設備もありますが、停電が長時間続いたり、基地局や通信回線が被害を受けたりすれば、通信が使いにくくなる場合があります。
特に地震や大雪、台風などでは、停電と通信設備の障害が同時に起きる可能性があります。
「スマホの電池があるから必ず大丈夫」とは考えない方がよいでしょう。
スマホのテザリングでパソコンを使える場合もある
自宅の光回線が停止していても、スマホのモバイル通信が利用できるなら、テザリングを使ってパソコンをインターネットにつなげる場合があります。
テザリングとは、スマートフォンの通信回線をパソコンなどと共有する機能です。
例えば、自宅のWi-Fiが使えなくても、スマホを経由してメールを送ったり、WordPressを更新したりできる可能性があります。
ただし、テザリングにはスマホの電池やデータ通信量を消費するという注意点があります。
また、契約プランによって利用条件が異なる場合があります。
停電すると固定電話やひかり電話は使える?
インターネットだけでなく、電話にも影響が出る場合があります。
特に注意したいのが、光回線を利用する「ひかり電話」です。
ひかり電話は停電中に使えなくなる
NTT西日本は、ひかり電話について、停電中は利用できないと案内しています。
ひかり電話では、ホームゲートウェイなどの通信機器が必要になるためです。
予備電源を用意することで利用できる場合もありますが、ONU、ひかり電話対応機器、電話機など、必要な機器が動作していることが条件です。
また、通信事業者側に障害が起きていれば、家庭内の機器に給電しても利用できない場合があります。
停電時の緊急連絡手段も考えておく
ひかり電話が利用できない場合は、携帯電話や公衆電話など、別の連絡手段を確認しましょう。
ただし、災害時には携帯電話もつながりにくくなる場合があります。
家族との集合場所、連絡方法、近隣の公衆電話の場所などを、普段から確認しておくと安心です。
なお、固定電話には異なる方式があり、停電時の動作も契約や電話機の種類によって異なります。自宅の電話がどの方式なのか、確認しておくことが大切です。
停電中でもWi-Fiを使う方法はある?
停電で自宅の通信機器が止まっても、予備電源などを利用すれば通信を続けられる場合があります。
ただし、必要な機器と電力を確認せずに購入すると、使えないことがあります。
ONUとルーターに対応した予備電源を用意する
自宅の光回線を停電時も使いたい場合は、ONUやルーターに電気を供給する必要があります。
一般的な家庭用コンセントで動作する機器なら、必要な出力に対応したUPS(無停電電源装置)やポータブル電源などが候補になります。
ただし、購入前に、ONUとルーターの台数、消費電力、電源方式を確認してください。
一般的なスマホ用モバイルバッテリーを、家庭用ルーターへ直接つなげるとは限りません。
また、UPSは製品によって容量や用途が異なります。
停電時もインターネットを利用したい方は、停電でもWi-Fiを使うには?ONU・ルーターの予備電源と注意点も参考にしてください。
スマホだけの利用ならモバイルバッテリーも候補になる
停電時に自宅の光回線までは維持しなくてもよいなら、まずはスマホの電池を確保する方法があります。
モバイルバッテリーがあれば、停電中もスマホを充電できるため、モバイル通信が利用できる状態なら情報収集や連絡に役立ちます。
選ぶ際は、容量、出力、充電端子、製品の安全性などを確認しましょう。
ただし、モバイルバッテリーは携帯電話の電波を改善するものではありません。
停電中のスマホ節電については、停電中にスマホの電池を減らさない方法|節電設定と充電の備えで詳しく紹介します。
予備回線を用意しておく方法もある
自宅の光回線が使えなくなった場合に備えて、スマートフォンなどの別回線を確保しておくことも方法の一つです。
仕事などでインターネットが欠かせない場合は、固定回線とモバイル回線を組み合わせることで、通信できる可能性を増やせます。
ただし、複数の回線が同じ設備や同じ地域の停電の影響を受ける場合もあるため、完全な保証にはなりません。
停電に備える予備電源は何を選べばいい?
予備電源にはいろいろな種類がありますが、使い方に合わないものを買っても十分に役立ちません。
まずは、何を何時間動かしたいのかを考えましょう。
モバイルバッテリーが向いている人
スマートフォンの充電を優先したい人には、モバイルバッテリーが比較的取り入れやすい選択肢です。
容量だけでなく、スマホとの対応、出力、充電時間、持ち運びやすさなどを比較します。
また、リチウムイオン電池を使用する製品は、落下や破損、異常な発熱などに注意し、製品の取扱説明書に従って使用してください。
UPSが向いている人
UPSは、停電時に接続機器へ一時的に電力を供給できる装置です。
ONUやルーターなど、突然電源が切れると困る機器に使うことを検討できます。
ただし、UPSはすべて長時間の給電に向いているわけではありません。多くは、停電時の短時間の給電や安全な停止を目的としています。
選ぶ際は、対応する負荷、定格出力、給電時間、バッテリー交換の必要性などを確認しましょう。
ポータブル電源が向いている人
通信機器だけでなく、照明やほかの小型家電にも電気を使いたい場合は、ポータブル電源が候補になります。
ただし、容量が大きいほど必ず自分に合うとは限りません。
サイズ、重量、出力、使用可能時間、充電方法、安全性、保管場所などを比較することが重要です。
家族の人数や停電時に必要な家電を整理してから選びましょう。
停電から復旧したのにWi-Fiが使えないときの対処方法
電気が復旧すれば、通信機器も再び動き始めます。
しかし、停電後にインターネットがつながらない場合もあります。
ONUとルーターの電源・ランプを確認する
まずはONUやルーターに電源が入っているか確認します。
電源ランプや回線状態を示すランプが、普段と違う状態になっていないか確認してください。
ただし、正常なランプの表示は機種によって異なるため、取扱説明書を参照しましょう。
電源タップやブレーカーの状態も確認してください。
焦げ臭い、異常に熱いなどの異常がある場合は、無理に使わず機器の提供元に相談しましょう。
通信障害情報を確認してから再起動する
自宅の電気が復旧しても、通信事業者側の設備が復旧していない場合があります。
モバイル通信など別の手段が使えるなら、契約している回線事業者の公式障害情報を確認しましょう。
障害情報がなく、家庭内の機器に問題が疑われる場合は、事業者やメーカーの手順に従って再起動します。
NTT東日本も、落雷や停電後に電話やネットが利用できない場合は、通信機器の再起動を試すよう案内しています。
ただし、再起動と初期化は別です。
初期化すると接続設定が失われる場合があるので、安易に初期化ボタンを押さないようにしましょう。
停電と通信障害に備えて準備しておきたいこと
停電に備えるというと、懐中電灯や食料を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、今では通信手段も生活に欠かせないものです。
家族と連絡方法を決めておく
停電や災害でネットが使えなくなると、メッセージアプリやメールだけでは連絡が取れない場合があります。
家族との集合場所や、災害時に利用できる連絡手段を確認しておきましょう。
また、重要な連絡先をオンライン上だけに保存せず、オフラインでも確認できるようにしておくことが役立ちます。
現金と生活必需品も備える
停電や通信障害が起きると、一部の店舗で電子決済やATMが使えなくなる場合があります。
そのため、生活に必要な少額の現金を用意しておくことも一つの備えです。
ただし、すべての決済サービスやATMが同時に停止するわけではありません。
現金を大量に引き出すのではなく、自分の生活で必要な範囲を考えましょう。
詳しくは停電や通信障害でキャッシュレス決済は使える?ATMと現金の備えをご覧ください。
災害による停電の原因も知っておく
停電は、通信機器だけの問題ではありません。
台風による強風や倒木、大雪による着雪などで、電線や送配電設備に被害が出ることがあります。
停電の発生原因を知っておくと、季節に応じた備えを考えやすくなります。
関連記事:
停電時のWi-Fiについてよくある質問
Q. 停電してもWi-Fiのマークが出ていることはありますか?
バッテリー内蔵の機器や予備電源で動作しているWi-Fiルーターであれば、停電中でもWi-Fiの接続が維持される場合があります。
ただし、Wi-Fiにつながっていても、インターネットが使えるとは限りません。
Q. 光回線なら停電しても使えますか?
光回線そのものが正常でも、ONUやルーターなどに電源が必要です。
一般的な家庭では、停電によってこれらの機器が停止すると、光回線によるネット接続も使えなくなります。
Q. スマホの4Gや5Gは停電中でも使えますか?
携帯電話の基地局などが正常に動いていて、スマホの電池と電波が確保されていれば利用できる場合があります。
ただし、災害や長時間の停電では通信設備にも影響が出ることがあります。
Q. モバイルバッテリーでWi-Fiルーターを動かせますか?
製品とルーターの電源仕様によります。
一般的なスマホ向けモバイルバッテリーを、そのまま家庭用ルーターに接続できるわけではありません。
電圧、出力、端子、給電方式などを確認する必要があります。
Q. UPSを買えば停電でも必ずネットが使えますか?
いいえ。
UPSで家庭内の通信機器に給電できても、通信事業者側の設備が停止していれば、インターネットにつながらない場合があります。
また、UPSの給電時間にも限りがあります。
Q. 停電後にWi-Fiだけ復旧しない場合はどうすればいい?
ONUやルーターの電源・ランプ・配線を確認し、通信事業者の障害情報を調べましょう。
家庭内の機器に問題が疑われる場合は、公式の手順に従って再起動します。
改善しない場合は、回線事業者や機器のサポート窓口へ相談してください。
まとめ|停電時のWi-Fiは「電源」と「通信回線」の両方が重要
停電すると、一般的な家庭ではONUやWi-Fiルーターの電源が切れ、自宅の光回線によるインターネット接続ができなくなります。
一方、スマートフォンの4G・5Gは別の通信設備を使うため、基地局などが正常であれば、停電中でも利用できる場合があります。
また、予備電源で自宅のONUやルーターを動かせる場合もありますが、通信事業者側の障害までは解決できません。
大切なのは、次の3つを知っておくことです。
- 自宅のインターネットに必要な機器は何台あるか
- 停電したとき、スマホのモバイル通信を利用できるか
- 自分の生活では、どの通信手段と電源を優先して守りたいか
停電時のネット対策は、「とにかく大容量の電源を買うこと」ではなく、「何を動かす必要があるのか」を知るところから始まります。
自宅のONUとルーターを一度確認するだけでも、今後の備えを具体的に考えられるようになるでしょう。
関連記事|停電・通信障害・お金の備え
停電中の通信手段や、ネットが使えない場合の対処法をさらに詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
- ネットが使えなくなったらどうする?Wi-Fi・通信障害・停電の確認順と備え
- 停電でもWi-Fiを使うには?ONU・ルーターの予備電源と注意点
- 停電中にスマホの電池を減らさない方法|節電設定と充電の備え
- 停電や通信障害でキャッシュレス決済は使える?ATMと現金の備え
- 台風で停電するのはなぜ?強風・倒木・電線トラブルの仕組み
- 大雪で停電するのはなぜ?着雪・倒木・電線トラブルの仕組みと備え
参考資料
※本記事は2026年10月時点の情報を基にした一般的な解説です。停電時の利用可否や必要な機器は、通信契約や機器の構成によって異なります。
