大雨のあとに山や斜面が崩れ、住宅へ土砂が流れ込むことがあります。
このような被害を見ると、
- 土砂崩れなのに「水災」になる?
- 洪水ではないのになぜ水災?
- 大雨によるがけ崩れも同じ?
- 地震で起きた土砂崩れとは違う?
- 土石流や地すべりも水災?
と疑問に思う人も多いでしょう。
結論からいうと、大雨や台風などによって発生した土砂崩れは、火災保険では水災と関係する代表的な災害の一つです。
日本損害保険協会も、水災の例として洪水や高潮、内水氾濫と並んで土砂崩れを挙げています。
一方で、地震によって斜面が崩れた場合は原因が異なるため、通常の火災保険の水災とは別に考えます。
この記事では、土砂崩れと水災の関係を「何が原因で崩れたのか」という視点から整理します。
- 土砂崩れは水災になる?
- なぜ土砂崩れが「水災」なの?
- 火災保険では土砂崩れをどう考える?
- 「土砂崩れ」と「土砂災害」は同じ?
- がけ崩れも水災?
- 土石流も水災になる?
- 地すべりも水災?
- 土砂崩れで家が壊れたら床上浸水していなくても水災?
- 土砂が家の中に入ったら水災?
- 建物と家財は分けて考える?
- 地震で土砂崩れが起きた場合も水災?
- 大雨の直後に地震が起きた場合は?
- 台風による土砂崩れは水災?風災?
- 土砂崩れと洪水は同じ水災?
- 内水氾濫と土砂崩れはどう違う?
- 土砂崩れは山の近くだけ?
- 土砂災害警戒区域とは?
- 土砂災害警戒情報が出たら家の様子を見に行っていい?
- 雨が止んだら土砂崩れの危険もなくなる?
- 土砂崩れで住宅が壊れたら何を優先する?
- 被害写真は残した方がいい?
- 土砂を片付ける前に写真を撮る?
- 罹災証明書がないと火災保険を確認できない?
- 「保険で直せる」と言う業者には注意
- 土砂崩れと水災を判断する3つのポイント
- 土砂崩れは「土砂」より「原因」を見る
- 大雨の前に確認しておきたいこと
- 土砂崩れと火災保険についてよくある質問
- まとめ|大雨による土砂崩れは水災、地震による崩壊は別に考える
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土砂崩れは水災になる?
大雨が原因なら、水災と関係します。
水そのものだけが水災ではない
「水災」という言葉から、洪水や床上浸水だけを想像する人も多いでしょう。
しかし火災保険では、豪雨によって発生する土砂崩れなども水災として扱われることがあります。
大雨が斜面を不安定にする
大量の雨が地中へしみ込むと、斜面を構成する土や岩が不安定になり、崩れることがあります。
その結果、住宅が押しつぶされたり、土砂が建物内部へ流れ込んだりする被害が発生します。
なぜ土砂崩れが「水災」なの?
直接のきっかけが大雨だから
大雨によって地中の水分量が増えると、斜面を支えていた力のバランスが変化します。
つまり、土砂そのものが住宅へぶつかっていても、その災害を引き起こした原因が大雨なら水災との関係が出てきます。
被害の見た目ではなく原因を見る
火災保険では「家に何がぶつかったか」だけではなく、「何によってその被害が発生したのか」を考えることが重要です。
火災保険では土砂崩れをどう考える?
水災補償との関係を見る
日本損害保険協会は、洪水や高潮などとともに土砂崩れを水災の一例として紹介しています。
契約内容によって補償範囲は異なる
すべての火災保険で水災が補償されるわけではありません。
実際に被害を受けた場合は、水災補償が含まれているかを確認する必要があります。
▶ 火災保険の水災補償とは?洪水・床上浸水・高潮・土砂崩れとの関係を解説
「土砂崩れ」と「土砂災害」は同じ?
日常会話ではまとめて「土砂崩れ」と呼ばれることがありますが、土砂災害にはいくつか種類があります。
がけ崩れ
急な斜面が突然崩れ、土砂や岩が下へ落ちる現象です。
土石流
山や谷にたまった土砂や石が、大量の水と一緒に一気に下流へ流れる現象です。
地すべり
比較的広い範囲の斜面が、まとまった状態でゆっくり、または急に移動する現象です。
がけ崩れも水災?
大雨が原因であれば、水災との関係を確認します。
急斜面の近くで起きやすい
雨が斜面内部へしみ込み、土や岩を支える力が弱くなると、斜面が突然崩れる場合があります。
住宅へ直接土砂が当たる
住宅のすぐ裏に斜面がある場合などは、崩れた土砂が直接建物へ衝突することがあります。
土石流も水災になる?
豪雨を原因とする土石流も、水災と関係します。
大量の水と土砂が一緒に流れる
土石流では泥水だけでなく、大きな石や流木なども一緒に流れることがあります。
住宅を壊す力が非常に大きい
浸水だけでなく、建物そのものが大きく損壊する可能性があります。
地すべりも水災?
大雨などが引き金となった地すべりで住宅が被害を受けた場合は、水災との関係を確認します。
広い範囲が動く
地すべりでは、斜面の一部だけではなく広い範囲の地盤が移動する場合があります。
住宅や道路にも影響する
建物の傾きや損壊、道路の変形など広範囲な被害につながることがあります。
土砂崩れで家が壊れたら床上浸水していなくても水災?
水災は床上浸水だけを意味するわけではありません。
土砂による直接被害もある
土砂崩れでは、住宅が水に浸からなくても、土砂の圧力や衝突によって建物が壊れることがあります。
水位だけでは判断できない
そのため「床上浸水していないから水災ではない」と単純に考えることはできません。
土砂が家の中に入ったら水災?
大雨による土砂災害なら、水災との関係を確認します。
泥水だけではなく土砂そのものが入る
土石流やがけ崩れでは、住宅内部へ大量の泥や石が流れ込むことがあります。
室内被害が広範囲になる
床や壁だけでなく、家具・家電など家財にも被害が及ぶ場合があります。
建物と家財は分けて考える?
はい。
建物
壁、床、屋根など住宅そのものの損害です。
家財
家具、家電、衣類など生活用品への損害です。
火災保険では建物と家財を分けて契約することがあるため、どちらを保険の対象としているか確認する必要があります。
▶ 火災保険の建物と家財の違いは?何がどちらに入るのか分けて考える理由を解説
地震で土砂崩れが起きた場合も水災?
ここは大きな違いです。
原因が地震なら水災とは別
地震の揺れによって斜面が崩れた場合、その原因は大雨ではなく地震です。
地震保険の領域で考える
地震・噴火またはこれらによる損害は、通常の火災保険とは別に地震保険との関係を確認します。
大雨の直後に地震が起きた場合は?
原因関係が複雑になる場合があります。
複数の要因が重なることもある
雨で斜面が弱っていたところへ地震が発生し、崩れるケースも考えられます。
自分で原因を断定しない
実際の損害については専門的な確認が必要になる場合があるため、自分だけで水災・地震災害を決めつけないことが重要です。
台風による土砂崩れは水災?風災?
土砂崩れの原因が豪雨なら、水災との関係を考えます。
台風には風と雨の両方がある
台風では強風と豪雨が同時に発生します。
何が住宅を壊したのかを見る
強風で屋根が飛んだなら風災、大雨による土砂崩れで住宅が壊れたなら水災というように整理します。
土砂崩れと洪水は同じ水災?
発生する現象は違いますが、火災保険ではどちらも水災と関係します。
洪水
河川の水が住宅地へあふれ、建物が浸水する災害です。
土砂崩れ
大雨によって斜面が不安定になり、土砂が住宅へ押し寄せる災害です。
見た目は大きく違いますが、大雨を原因とする住宅被害という点で水災として整理されます。
内水氾濫と土砂崩れはどう違う?
内水氾濫は街に水がたまる
大量の雨を排水できず、道路や住宅地へ水があふれる現象です。
土砂崩れは斜面が崩れる
地中へ入った雨水などの影響で斜面が不安定になり、土砂が移動します。
どちらも大雨で起こり得ますが、被害の仕組みは異なります。
土砂崩れは山の近くだけ?
山の中だけとは限りません。
住宅地の斜面でも起きる
丘陵地や造成地、道路沿いの斜面などでも、がけ崩れが発生する可能性があります。
自宅周辺の地形を見る
家のすぐ裏や道路の反対側などに急な斜面がある場合は、土砂災害のリスクを確認しておくことが大切です。
土砂災害警戒区域とは?
土砂災害のおそれがある区域
土砂災害によって住民の生命や身体に危害が生じるおそれがある土地について、都道府県が指定する区域があります。
ハザードマップでも確認できる
自治体などのハザードマップでは、土砂災害警戒区域などを確認できます。
保険の確認だけでなく、避難の判断にも役立ちます。
土砂災害警戒情報が出たら家の様子を見に行っていい?
危険です。
斜面へ近づかない
大雨で斜面が不安定になっている可能性があるため、崖や沢などへ様子を見に行くのは避けます。
避難情報を優先する
自治体から避難情報が出ている場合は、その情報を優先して行動します。
雨が止んだら土砂崩れの危険もなくなる?
すぐになくなるとは限りません。
地中には水分が残る
長時間の大雨の後は、雨が止んでも地中に大量の水分が残っています。
時間差で崩れることもある
雨が弱まった後に斜面が崩れる場合もあるため、警報や避難情報が解除されるまでは注意が必要です。
土砂崩れで住宅が壊れたら何を優先する?
最優先は自分や家族の安全です。
損傷した建物へ戻らない
建物が傾いていたり、斜面からさらに土砂が落ちる可能性があったりする場合があります。
安全確認を優先する
写真撮影や家財の搬出より先に、安全な場所へ移動することが重要です。
被害写真は残した方がいい?
安全が確保された後であれば、被害状況を記録しておくと後から整理しやすくなります。
建物全体を撮る
住宅のどの部分に土砂が流れ込んだのか分かるように撮影します。
室内や家財も撮る
土砂や泥によって家具・家電などが被害を受けている場合は、その状態も記録します。
▶ 台風・豪雨の被害写真はなぜ残した方がいい?保険請求前に記録する理由と撮り方を解説
土砂を片付ける前に写真を撮る?
安全にできる状況なら、片付け前の状態も記録しておくと分かりやすくなります。
生活再建のため片付けを急ぐこともある
土砂や泥は衛生上の問題もあり、早く除去する必要がある場合があります。
無理に保存する必要はない
危険な状態の建物へ入り、写真を撮るために作業を遅らせる必要はありません。
罹災証明書がないと火災保険を確認できない?
日本損害保険協会は、損害保険の保険金請求では、自治体が交付する罹災証明書は原則不要と案内しています。
実際に必要な資料は、契約している保険会社や代理店へ確認してください。
「保険で直せる」と言う業者には注意
災害後の勧誘トラブルがある
大雨や台風の後には、「火災保険が使える」と住宅修理や保険金請求の代行を勧誘する業者とのトラブルがあります。
先に契約先へ確認する
修理契約を急いで結ぶ前に、自分が契約している保険会社や代理店へ確認することが重要です。
土砂崩れと水災を判断する3つのポイント
①何が斜面を崩した?
大雨なのか、地震なのかを確認します。
②何が被害を受けた?
建物なのか、家財なのかを整理します。
③どの補償が契約に含まれている?
大雨による土砂崩れなら、水災補償の有無を確認します。
土砂崩れは「土砂」より「原因」を見る
火災保険との関係で土砂崩れを考えるとき、最も分かりやすいポイントは原因です。
大雨・台風によって発生した土砂崩れなら水災、地震によって発生した土砂崩れなら地震災害として考えるという整理が基本です。
同じように住宅へ土砂が流れ込んでも、原因によって確認する補償が変わります。
大雨の前に確認しておきたいこと
土砂災害は住宅への被害だけでなく、命に関わる災害です。
斜面の近くに住んでいる場合は、平常時にハザードマップや避難場所を確認しておきましょう。
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土砂崩れと火災保険についてよくある質問
土砂崩れは水災ですか?
大雨や台風などによって発生した土砂崩れは、火災保険では水災との関係を確認します。
洪水ではないのになぜ水災なのですか?
水災には洪水だけでなく、高潮・内水氾濫・大雨による土砂崩れなども含まれるためです。
がけ崩れも水災ですか?
大雨を原因とするがけ崩れであれば、水災との関係を確認します。
土石流も水災ですか?
豪雨によって発生した土石流も、水災と関係する土砂災害です。
地すべりも水災ですか?
大雨などを原因とする地すべりで住宅が被害を受けた場合は、水災との関係を確認します。
床上浸水していなくても土砂崩れは水災ですか?
はい。水災は床上浸水だけを意味するものではなく、大雨による土砂崩れなども含まれます。
地震による土砂崩れも水災ですか?
いいえ。原因が地震なら通常の火災保険の水災とは別に、地震保険との関係を確認します。
台風で屋根も土砂も被害を受けたらどちらですか?
強風による屋根被害は風災、大雨による土砂崩れは水災というように、被害原因ごとに整理します。
土砂崩れ被害の写真は残した方がいいですか?
安全が確認された後で、建物全体や土砂の流入状況、室内・家財の被害などを記録しておくと整理しやすくなります。
火災保険なら土砂崩れは必ず補償されますか?
必ずとは限りません。火災保険の商品・契約によって水災補償の有無や条件が異なるため、契約内容の確認が必要です。
まとめ|大雨による土砂崩れは水災、地震による崩壊は別に考える
土砂崩れと水災の関係をまとめると、
- 水災は洪水だけではない
- 大雨による土砂崩れも水災と関係する
- がけ崩れも大雨が原因なら水災と関係する
- 土石流も豪雨が原因なら水災と関係する
- 地すべりも原因によって水災と関係する
- 床上浸水していなくても水災になり得る
- 土砂による建物損壊もある
- 建物と家財は分けて考える
- 地震による土砂崩れは通常の水災とは別
- 同じ台風でも風災と水災が同時に起こることがある
- 「災害名」より原因を見ることが重要
- 水災補償があるかは契約内容を確認する
- 土砂災害警戒区域はハザードマップで確認できる
- 雨が止んでも土砂災害の危険が残る場合がある
- 被害後は安全確保を最優先する
となります。
一番重要なのは、土砂が家へ流れ込んだから何災害なのかを決めるのではなく、その土砂崩れを何が引き起こしたのかを見ることです。
大雨や台風が原因なら水災との関係を確認し、地震が原因なら地震災害として考えます。
土砂災害は住宅への損害だけでなく命に関わるため、保険の確認より先に、ハザードマップや避難情報を使って安全を確保することが重要です。
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