大雨や洪水で自宅が浸水すると、
- とにかく早く泥を片付けたい
- 濡れた家具を外へ出したい
- 床をすぐ消毒した方がいい?
- 電気は使って大丈夫?
- 罹災証明のために写真は必要?
など、何から手をつければいいのか分からなくなることがあります。
しかし、浸水後はいきなり片付けを始めないことが重要です。
水害後の住宅には、
- 感電
- 壊れた建物や家具
- 泥や汚水
- ガラスや釘などによるけが
- カビや粉じん
など、普段とは違う危険があります。
また、片付けてしまう前に被害状況を写真で記録しておくことが、罹災証明などの手続きで役立つ場合があります。
この記事では、浸水した家で最初に確認したいこと、写真を撮るタイミング、電気への注意、泥の除去、清掃・乾燥・消毒の順番、罹災証明までを順番に解説します。
- 浸水した家では何から始める?
- まず家に入っても安全か確認する
- 浸水した家では電気に注意
- 太陽光発電がある家は特に注意
- 片付ける前に写真を撮る
- なぜ片付け前の写真が重要?
- 床上浸水と床下浸水も記録しておく
- 片付けをするときは肌を守る
- 家を閉め切ったまま清掃しない
- 浸水した家はまず「泥を取る」
- 「消毒より乾燥」が重要って本当?
- 床下にも消毒液をまいた方がいい?
- 漂白剤などを混ぜて消毒液を作っていい?
- 水につかった食品は食べても大丈夫?
- 濡れた家具や家電はすぐ捨てる?
- 床下浸水は自分で確認していい?
- 罹災証明書とは?
- 罹災証明が出るまで片付けてはいけない?
- 水害後の清掃で体調が悪くなったら?
- 浸水後の片付けで用意しておきたいもの
- 浸水した家の片付けについてよくある質問
- まとめ|浸水した家は「安全確認→写真→清掃→乾燥」の順番を意識する
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浸水した家では何から始める?
基本的な流れを先に整理すると、次のようになります。
| 順番 | 確認・作業 |
|---|---|
| 1 | 自分と家族の安全を確認する |
| 2 | 建物・電気などの危険を確認する |
| 3 | 片付け前の被害状況を写真で残す |
| 4 | 自治体の罹災証明などの案内を確認する |
| 5 | 換気しながら泥や汚れを除去する |
| 6 | 十分に清掃する |
| 7 | しっかり乾燥させる |
| 8 | 必要に応じて適切に消毒する |
被害状況によって順序が前後することはありますが、重要なのは、安全確認と記録を飛ばして片付けだけを急がないことです。
まず家に入っても安全か確認する
水が引いたからといって、すぐ元通りの住宅に戻ったわけではありません。
建物が大きく損傷していないか確認
外から見て、
- 建物が傾いている
- 大きなひび割れがある
- 壁や屋根が崩れている
- 大量の土砂が流れ込んでいる
など明らかな異常がある場合は、無理に中へ入らないでください。
自治体や専門家などの確認が必要になる場合があります。
まだ水が残っている場所へ無理に入らない
濁った水の中では、床の穴や段差、ガラスなどが見えないことがあります。
水が引いて安全を確認できるまで待つことも重要です。
浸水した家では電気に注意
住宅の浸水後に特に注意したいのが電気です。
濡れたコンセントや電気製品をすぐ使わない
水につかった、または浸水した可能性がある、
- コンセント
- 配線
- 分電盤
- 家電
- 給湯設備
などを自己判断ですぐ使用するのは避けてください。
内部に水や泥が入り込んでいる可能性があります。
水が引いても電気設備内部に水分が残ることがある
見た目が乾いていても、内部まで完全に乾燥しているとは限りません。
浸水した電気設備については、電力会社や電気工事の専門家、メーカーなどへ相談し、安全を確認してから使用する方が安全です。
太陽光発電がある家は特に注意
屋根などに太陽光発電設備がある住宅では、別の注意点があります。
停電中でも発電していることがある
太陽光パネルは、電力会社からの電気が止まっていても、光が当たれば発電する可能性があります。
経済産業省も、浸水・破損した太陽光発電設備について、感電のおそれがあるためむやみに近づかないよう注意を呼びかけています。
破損したケーブルや設備には触らない
流されてきたパネルや、壊れた配線、パワーコンディショナーなどを素手で触らないでください。
専門知識のある事業者などへ相談することが重要です。
片付ける前に写真を撮る
安全が確認できたら、すぐ家具を捨てたり泥を洗い流したりする前に、被害状況を記録しておきます。
住宅全体が分かる写真を撮る
可能であれば、
- 住宅の外観
- 各部屋
- 床
- 壁
- 家具や家電
- 浸水した高さ
などを撮影しておきます。
遠景だけでなく、被害部分が分かる近い写真もあると状況を説明しやすくなります。
水がどこまで来たか分かる跡も残す
壁や柱に泥や水位の跡が残っている場合は、それも記録しておきます。
浸水深が分かるようにメジャーなどと一緒に撮影できる場合もあります。
ただし、撮影のために危険な場所へ立ち入らないでください。
なぜ片付け前の写真が重要?
水害後には、罹災証明書などの手続きが必要になることがあります。
被害認定調査の参考になることがある
罹災証明書は、市町村が住家の被害状況を調査し、その程度を証明するものです。
内閣府は、住家被害認定調査における写真撮影について自治体向けの留意事項も示しています。
自治体によって必要書類や申請方法は異なりますが、片付け前の写真が被害状況を説明する資料として役立つ場合があります。
自治体や保険会社の案内も確認する
火災保険や共済などへ請求する場合も、被害状況の写真を求められることがあります。
可能であれば大きく片付ける前に、自治体と加入している保険・共済の案内を確認しておきましょう。
床上浸水と床下浸水も記録しておく
水が住宅のどこまで来たのかも重要です。
床面を越えたか確認
基本的には、水が住家の床面以上まで達すれば床上浸水、床面まで達していなければ床下浸水となります。
泥の跡などが残っていれば、清掃前に記録しておきましょう。
▶ 床上浸水と床下浸水の違いは?どこから床上になる?被害・片付け・罹災証明まで解説
「床上だったから半壊」と自己判断しない
床上浸水と住家の「全壊・半壊」などの被害認定は別のものです。
被害程度は自治体が国の基準などに基づいて調査します。
片付けをするときは肌を守る
浸水した住宅の泥や水は、きれいな雨水とは限りません。
手袋・長靴・マスクなどを使う
厚生労働省は、浸水家屋の清掃時に、
- 手袋
- 底の厚い靴
- マスク
- 必要に応じてゴーグル
などを使うよう案内しています。
釘やガラスによるけが、泥やほこりへの接触を防ぐためです。
素手・裸足で泥を触らない
小さな傷から感染する可能性もあります。
特に床下や庭には鋭利な物が隠れていることもあるため、肌を露出した状態で作業するのは避けましょう。
家を閉め切ったまま清掃しない
数日間浸水した住宅には、カビが発生している場合もあります。
ドアや窓を開けて換気する
厚生労働省は、浸水家屋へ戻って清掃する際にはドアや窓を開けて十分換気するよう案内しています。
ただし建物自体が安全であることを確認したうえで行います。
乾いた泥の粉じんにも注意する
泥が乾燥すると、ほこりとして舞い上がることがあります。
作業時はマスクなどで口や鼻を保護することが重要です。
浸水した家はまず「泥を取る」
清掃では、いきなり消毒液をまくのではありません。
最初に汚泥やごみを取り除く
床や壁、床下などに泥が残っている場合は、まず汚れそのものを除去します。
泥が付いたままでは、その後の洗浄や消毒が十分に行えません。
清掃できる場所は水などで汚れを落とす
材質や設備の状態を確認しながら、泥や汚れを取り除いて清掃します。
濡れた石こうボードや断熱材などは交換が必要になる場合もあるため、被害が大きい住宅では専門業者へ相談する方が安全です。
「消毒より乾燥」が重要って本当?
厚生労働省は、浸水した一般家屋ではまず土砂撤去・十分な清掃・乾燥を行うことが重要としています。
汚れが残ったまま消毒しても効果を発揮しにくい
消毒液は、泥や大きな汚れを取り除いた後に使う必要があります。
「汚れているから、とりあえず大量の消毒液をまく」という順番ではありません。
十分に乾燥させる
水分が残った状態は、細菌やカビが増えやすい環境になります。
厚生労働省も、清掃後にしっかり乾燥させることを重視しています。
つまり基本は、
泥を除去 → 清掃 → 乾燥 → 必要に応じて消毒
です。
床下にも消毒液をまいた方がいい?
必ずしも必要ではありません。
屋外や床下の消毒は原則不要とされている
厚生労働省の案内では、屋外や床下については原則として消毒は不要とされています。
まず汚泥を取り除き、十分に乾燥させることが重要です。
消毒液をむやみに大量使用しない
消毒剤には材質を変色・腐食させるものもあります。
必要な場合は製品の表示や自治体・保健所などの案内に従い、適切な方法で使用してください。
漂白剤などを混ぜて消毒液を作っていい?
洗剤や消毒剤を自己判断で混ぜることは避けてください。
塩素系製品と酸性製品を混ぜない
塩素系漂白剤などは、酸性タイプの洗剤などと混ざると有害な塩素ガスが発生する危険があります。
水害後は複数の洗剤を使う機会が増えますが、製品表示を確認して使用してください。
「強くすれば効く」と考えない
消毒剤は濃度を勝手に高くしたり、異なる薬剤を混ぜたりせず、使用する製品の説明に従います。
最も重要なのは、消毒より先に泥と汚れを落として乾燥させることです。
水につかった食品は食べても大丈夫?
浸水した住宅では食品にも注意が必要です。
水につかった食品は安全性を判断しにくい
洪水や内水氾濫の水にはさまざまな汚染物が混ざっている可能性があります。
水につかった食品や容器が破損した食品などは、無理に食べない方が安全です。
停電した冷蔵庫の食品にも注意
長時間停電して冷蔵・冷凍状態を維持できなかった食品は、見た目だけで安全性を判断できません。
被災地域の保健所や自治体から食品衛生に関する案内が出ている場合は確認してください。
濡れた家具や家電はすぐ捨てる?
衛生上、廃棄が必要になる物もあります。
ただし、証拠写真を残す前にすべて処分してしまうのは避けた方がよい場合があります。
先に被害状況を記録
安全な範囲で、家具や家電がどのように被災したか写真を残します。
処分する際も、品目が分かる写真を撮っておくと手続きの際に役立つ可能性があります。
災害ごみの出し方を確認
水害後は自治体が災害ごみの仮置き場や回収方法を指定する場合があります。
通常の粗大ごみと扱いが異なることもあるため、自治体の最新情報を確認してください。
床下浸水は自分で確認していい?
安全に確認できる範囲にとどめましょう。
床下はけがや汚染の危険がある
床下には、
- 釘
- 割れた建材
- 泥
- 配線
- 配管
などがあります。
狭い場所へ無理に潜って作業するのは危険です。
大量の泥や断熱材の浸水は専門家への相談も検討
床下断熱材まで水につかった場合や、泥が大量に流れ込んだ場合などは、住宅会社や清掃・復旧を扱う専門業者へ相談する方法があります。
罹災証明書とは?
水害後の生活再建で重要になることがあるのが罹災証明書です。
市町村が住家の被害程度を証明する
罹災証明書は、市町村が住家の被害状況を調査し、被害程度を証明するものです。
公的な被災者支援制度などの手続きで必要になる場合があります。
申請方法は自治体で確認
大規模災害では、自治体が申請受付について案内します。
申請期限や方法、必要な写真・書類などについて、被災した市町村の最新情報を確認してください。
罹災証明が出るまで片付けてはいけない?
生活や衛生上、片付けを待てない場合もあります。
「調査が来るまで何も触ってはいけない」という意味ではありません。
片付け前にできるだけ記録を残す
安全を確保した上で、
- 建物全体
- 各部屋
- 浸水した高さ
- 損傷した場所
- 処分する家具・家電
などを写真で残してから片付けると、後で被害状況を説明しやすくなります。
自治体の案内を優先する
災害ごとに調査方法や申請手続きが案内されるため、被災自治体の公式情報を確認してください。
水害後の清掃で体調が悪くなったら?
片付け作業は想像以上に体力を使います。
傷や体調不良を放置しない
清掃中にけがをした場合は、汚れたまま放置しないでください。
発熱、強い体調不良、傷の腫れなど気になる症状がある場合は医療機関へ相談してください。
長時間作業し続けない
暑い時期の水害では熱中症にも注意が必要です。
水分と休憩を取り、無理のない範囲で作業してください。
浸水後の片付けで用意しておきたいもの
浸水後の家には、泥や汚水、ガラス片、くぎなどが残っていることがあります。
素手や普段履きの靴で作業せず、手や足、目などを保護できる装備を用意してから片付けを始めることが重要です。
また、停電している室内や床下などでは足元が見えにくいため、両手を使いやすい作業用ライトがあると便利です。
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停電を想定した用品
電気が復旧していない場合に備え、防水ライトやモバイルバッテリーなども役立ちます。
ただし暗い場所や危険な建物へ、照明があるからという理由だけで無理に入らないでください。
浸水した家の片付けについてよくある質問
家が浸水したら最初に何をすればいい?
まず自分と家族の安全を確保し、建物や電気設備に危険がないか確認します。
安全を確認できたら、大きく片付ける前に被害状況を写真で記録しておくとよいでしょう。
浸水後すぐに消毒した方がいい?
いきなり消毒するのではなく、まず泥や汚れを取り除き、十分に清掃・乾燥させることが重要です。
厚生労働省も清掃と乾燥を重視しています。
床下も消毒した方がいい?
厚生労働省の案内では、屋外や床下の消毒は原則不要とされています。
まず汚泥の除去と十分な乾燥が重要です。
浸水したコンセントは乾けば使える?
見た目が乾いただけでは安全とは判断できません。
内部へ水や泥が入っている可能性があるため、専門家などによる安全確認を検討してください。
片付け前に写真を撮るべき?
安全な範囲で被害状況を記録しておくことをおすすめします。
罹災証明や保険・共済などで被害状況を説明する際に役立つ場合があります。
罹災証明が出るまで何も捨ててはいけない?
必ずしも片付けを止め続ける必要があるわけではありません。
ただし処分前に建物や家具、浸水した高さなどを写真で残し、自治体の案内も確認してください。
水害後の泥を素手で触ってもいい?
避けてください。
厚手の手袋、底の厚い靴、マスクなどを使い、けがや汚染から体を守りながら作業します。
まとめ|浸水した家は「安全確認→写真→清掃→乾燥」の順番を意識する
浸水した家で最初に確認したいことをまとめると、
- 水が引いてもすぐ家に入れるとは限らない
- 建物が大きく損傷している場合は無理に入らない
- 浸水した電気設備を自己判断ですぐ使用しない
- 太陽光発電設備は停電中でも発電する場合がある
- 片付け前に被害状況を写真で残す
- 浸水した高さも記録しておく
- 清掃時は手袋・厚底靴・マスクなどで体を守る
- ドアや窓を開けて換気する
- まず泥と汚れを取り除く
- 清掃後は十分に乾燥させる
- 必要に応じて適切に消毒する
- 床下や屋外の消毒は原則不要とされている
- 罹災証明の申請方法は自治体で確認する
ということになります。
浸水した家を見ると、一刻も早く元に戻したくなります。
しかし水害後の片付けは、通常の大掃除とは違います。
感電、けが、汚水、カビなどの危険を避けながら作業することが最優先です。
そして、片付けてしまうと被害時の状態を確認できなくなる場合があります。
安全を確認できたら、まず建物全体や浸水した高さを写真に残し、自治体の罹災証明などの案内を確認してから復旧作業へ進むとよいでしょう。
清掃については、消毒液を大量に使うことよりも、泥を取り除き、十分に清掃して、しっかり乾燥させることが基本です。
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