大雨のニュースを見ていると、突然、
「○○市付近で約100mm、記録的短時間大雨情報」
と速報が出ることがあります。
すると、
- 記録的短時間大雨情報って何?
- 100mm降ったら必ず出る?
- 大雨警報より危険?
- 線状降水帯とは何が違う?
- 出たらすぐ避難した方がいい?
と疑問に思う人も多いでしょう。
記録的短時間大雨情報とは、気象庁が数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測または解析したときに発表する情報です。
重要なのは、単に「雨量が多い」というだけではありません。
その地域にとって、めったに起きない規模の猛烈な雨が降っていることを知らせる情報です。
また、全国一律に「1時間100mmなら必ず発表」と決まっているわけではありません。
地域によって雨の降り方や過去の記録が違うため、発表基準となる1時間雨量も地域ごとに設定されています。
この記事では、記録的短時間大雨情報とは何なのか、100mmとの関係、線状降水帯との違い、発表されたときに何を確認すればよいのかまでわかりやすく解説します。
- 記録的短時間大雨情報とは?
- 記録的短時間大雨情報は何mmで出る?
- なぜ地域によって基準が違う?
- 1時間100mmの雨はどれくらい?
- 記録的短時間大雨情報が出たら何が起きる?
- 土砂災害の危険も高まる?
- 記録的短時間大雨情報と大雨警報は何が違う?
- 記録的短時間大雨情報と大雨特別警報は違う?
- 記録的短時間大雨情報と線状降水帯は何が違う?
- 線状降水帯がなくても記録的短時間大雨情報は出る?
- 「約100mm」と「100mm以上を観測」の違いは?
- 記録的短時間大雨情報が出たらすぐ避難する?
- すでに道路が冠水していたら避難所へ向かう?
- 夜中に発表された場合はどうする?
- 記録的短時間大雨情報が続けて何回も出ることはある?
- 記録的短時間大雨情報が出たのに被害がなかったら「空振り」?
- 記録的短時間大雨情報とゲリラ豪雨は同じ?
- 大雨特別警報がなくても危険?
- 発表されたときに確認したい3つの情報
- 大雨が長引いているときはさらに注意
- 停電にも備えて情報手段を確保する
- 記録的短時間大雨情報についてよくある質問
- まとめ|記録的短時間大雨情報は「その地域ではめったにない猛烈な雨」のサイン
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記録的短時間大雨情報とは?
気象庁では、記録的短時間大雨情報を、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測または解析したときに発表する情報としています。
「その地域ではめったにない大雨」を知らせる
全国的に珍しい雨である必要はありません。
重要なのは、その地域にとって数年に一度程度しか起こらないような猛烈な短時間雨量になっていることです。
つまり、
「その地域では非常に異常な規模の雨が短時間に降っている」
ことを知らせる速報性の高い情報です。
観測だけでなく解析雨量でも発表される
アメダスなどの雨量計で実際に観測した雨量だけでなく、気象レーダーなどを利用して解析した雨量によって発表される場合もあります。
そのためニュースでは、
「○○市付近で約110mm」
のような表現が使われることがあります。
記録的短時間大雨情報は何mmで出る?
ここは非常に検索されやすいポイントです。
結論からいうと、
全国一律で「○mm以上」と決まっているわけではありません。
地域ごとに発表基準が違う
気象庁では、その府県予報区において数年に一度程度の発生頻度となる1時間雨量を基準値として設定しています。
そのため、地域によって、
- 80mm
- 90mm
- 100mm
- 110mm
- 120mm
など基準が異なります。
「100mmなら全国どこでも出る」ではない
ニュースで「約100mm」という数字をよく見るため、
「1時間100mmになったら記録的短時間大雨情報」
と思われがちです。
しかし実際には、その地域に設定された基準以上の短時間雨量になっているかどうかで判断されます。
なぜ地域によって基準が違う?
日本では地域によって雨の降り方がかなり違います。
もともと大雨の多い地域がある
太平洋側の山地などでは、台風や湿った空気の影響で非常に多くの雨が降る地域があります。
一方、短時間に100mm近い雨がめったに降らない地域もあります。
「数年に一度」という頻度を基準にする
そのため全国で同じ数字にしてしまうと、その地域にとってどれほど異常な雨なのかを適切に表せません。
気象庁では地域ごとに、数年に一度程度の短時間大雨となる雨量を基準として設定しています。
1時間100mmの雨はどれくらい?
記録的短時間大雨情報と一緒に出てきやすい数字が「1時間100mm」です。
気象庁では「猛烈な雨」
気象庁では1時間80mm以上の雨を「猛烈な雨」と表現しています。
そのため1時間100mmは、すでに最も強い雨の表現に入る猛烈な雨です。
1平方メートルへ約100リットル
雨量100mmは、1平方メートルあたり約100リットルの水が1時間で降る量です。
広い住宅地や山へこの規模の雨が降れば、短時間で膨大な水が道路・側溝・川などへ流れ込みます。
▶ 1時間50mm・100mmの雨はどれくらい危険?雨量の目安と起きることをわかりやすく解説
記録的短時間大雨情報が出たら何が起きる?
「この情報が出たら必ず災害が起きる」というわけではありません。
しかし、非常に危険な雨が降っていることは間違いありません。
道路冠水・内水氾濫
短時間に大量の雨が降ると、下水道や側溝の排水能力を超えることがあります。
すると、
- 道路冠水
- 住宅地の浸水
- アンダーパスの水没
などが急速に進む可能性があります。
▶ 内水氾濫とは?川が決壊していないのに街が水没する理由をわかりやすく解説
中小河川の急増水
流域の狭い中小河川では、猛烈な雨が降ると短時間で大量の水が集まります。
雨が強くなってから短時間で水位が上昇する場合があるため注意が必要です。
土砂災害の危険も高まる?
高まります。
特にそれまでに雨が続いていた場合は注意が必要です。
すでに土が水を多く含んでいることがある
長雨の後に猛烈な短時間雨が加わると、地中へさらに大量の水が入り込みます。
斜面がすでに不安定になっていれば、土砂災害の危険度が急激に高まる可能性があります。
土砂キキクルも確認する
山や崖の近くでは、記録的短時間大雨情報だけでなく、土砂キキクルで現在地周辺の危険度を確認してください。
▶ 土壌雨量指数とは?雨が止んでも土砂災害が起きる理由をわかりやすく解説
記録的短時間大雨情報と大雨警報は何が違う?
役割が違います。
大雨警報は災害への警戒を呼びかける警報
大雨警報は、大雨によって重大な災害が起こるおそれがある場合に発表される警報です。
土砂災害や浸水害などの危険度をもとに発表されます。
記録的短時間大雨情報は猛烈な短時間雨を知らせる
一方、記録的短時間大雨情報は、その地域にとって数年に一度程度しかない猛烈な短時間雨が観測・解析されたことを知らせる情報です。
つまり、
大雨警報=災害の危険に警戒する情報
記録的短時間大雨情報=極めて激しい短時間雨が現実に起きていることを知らせる情報
と考えると分かりやすいでしょう。
記録的短時間大雨情報と大雨特別警報は違う?
違います。
記録的短時間大雨情報は短時間雨量に注目
その地域で数年に一度程度の猛烈な短時間雨が観測・解析された場合に出されます。
大雨特別警報はより重大な災害の危険を知らせる
大雨特別警報は、警報の発表基準をはるかに超える大雨により、重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合などに発表されます。
記録的短時間大雨情報が出たから、自動的に大雨特別警報になるわけではありません。
記録的短時間大雨情報と線状降水帯は何が違う?
これも非常によく混同されます。
記録的短時間大雨情報は「雨量」に注目
記録的短時間大雨情報は、その地域で数年に一度程度となる短時間雨量が観測・解析されたことを知らせるものです。
線状降水帯は「雨雲のまとまり」に注目
線状降水帯は、発達した積乱雲が次々と発生して列を作り、同じ場所で非常に激しい雨が降り続く現象です。
つまり、
記録的短時間大雨情報=どれだけ猛烈に降ったか
線状降水帯=猛烈な雨を降らせる雨雲がどのように組織化しているか
という違いがあります。
▶ 線状降水帯とは?なぜ同じ場所に大雨が降り続く?発生の仕組みと危険性を解説
線状降水帯がなくても記録的短時間大雨情報は出る?
出ることがあります。
局地的な積乱雲でも猛烈な雨になる
線状降水帯が形成されなくても、非常に発達した積乱雲によって局地的に猛烈な雨が降ることがあります。
その雨量が地域の発表基準に達すれば、記録的短時間大雨情報が発表される可能性があります。
逆に線状降水帯でも必ず出るとは限らない
線状降水帯は複数の基準を使って判定されるため、発生情報と記録的短時間大雨情報は別々の情報です。
どちらかが出れば必ずもう一方も出る、という関係ではありません。
「約100mm」と「100mm以上を観測」の違いは?
ニュースでは表現が違うことがあります。
雨量計で観測した場合
アメダスなどの観測地点で基準を超える猛烈な雨を実際に観測した場合、その観測値をもとに情報が発表されます。
レーダーなどから解析した場合
雨量計がない場所についても、レーダーなどを使った解析雨量によって猛烈な雨が降ったと判断できる場合があります。
この場合、
「○○市付近で約100mm」
のように発表されることがあります。
記録的短時間大雨情報が出たらすぐ避難する?
「この情報が出たら全国どこでも直ちに同じ行動」というものではありません。
現在地の災害リスクと、ほかの防災情報を合わせて判断します。
まずキキクルを確認する
大雨による災害には、
- 土砂災害
- 浸水害
- 洪水災害
があります。
気象庁のキキクルでは、それぞれの危険度を地図上で確認できます。
自宅や現在地が赤・紫・黒などになっていないか確認してください。
自治体の避難情報も確認する
自治体から高齢者等避難や避難指示などが発令されている場合は、その内容を確認して行動します。
ただし、猛烈な短時間雨では状況が急速に悪化することがあります。
すでに道路が冠水していたら避難所へ向かう?
屋外移動が危険な状態まで悪化している場合は、避難所へ向かうこと自体が危険になることがあります。
冠水道路へ車で入らない
濁った水の下では、
- 本当の水深
- マンホール
- 側溝
- 段差
などが見えません。
車だから安全とは限りません。
▶ 車は水深何cmまで走れる?冠水道路が危険な理由と水没したときの脱出方法
アンダーパスを避ける
アンダーパスなど低い道路では、短時間豪雨によって急速に冠水が進む場合があります。
すでに道路が危険な状態では無理な移動を避け、安全確保について自治体などの最新情報を確認してください。
夜中に発表された場合はどうする?
夜間の猛烈な雨は特に注意が必要です。
外の状況が見えにくい
夜は、
- 道路冠水
- 川の増水
- 斜面の異常
などを目視で確認しにくくなります。
外へ状況を見に行くのは避けてください。
スマートフォンなどで危険度を確認する
キキクル、自治体の避難情報、河川情報などをオンラインで確認します。
長雨が予想される場合は、猛烈な雨になる前に避難先や安全な場所を確認しておくことが重要です。
記録的短時間大雨情報が続けて何回も出ることはある?
あります。
別の場所で次々と猛烈な雨になる
大気の状態が非常に不安定な場合や線状降水帯が発生している場合などには、複数の市町村付近で基準を超える猛烈な雨が解析されることがあります。
そのため短時間に複数回、記録的短時間大雨情報が発表される場合があります。
同じ地域で雨が続けば総雨量も増える
短時間雨量だけでなく、すでに何時間も雨が続いている場合は総雨量にも注意が必要です。
猛烈な雨が繰り返されれば、土砂災害や洪水の危険度も急激に高まる可能性があります。
▶ 雨量300mm・500mmってどれくらい?総雨量が増えると何が危険になるのか解説
記録的短時間大雨情報が出たのに被害がなかったら「空振り」?
そう考えるものではありません。
情報は「被害発生」を断定するものではない
記録的短時間大雨情報は、数年に一度程度の猛烈な短時間雨が観測・解析されたことを知らせる情報です。
実際に災害が発生するかどうかは、
- 地形
- 河川
- 排水能力
- それまでの雨量
などによって変わります。
被害がなかったから次も安全とは限らない
同じ雨量でも地域や状況によって結果は異なります。
以前に情報が出ても被害がなかった経験を理由に、次回の情報を軽視しないことが重要です。
記録的短時間大雨情報とゲリラ豪雨は同じ?
同じ言葉ではありません。
ゲリラ豪雨は気象庁の正式な予報用語ではない
一般には、局地的に突然降る非常に激しい雨を「ゲリラ豪雨」と呼ぶことがあります。
一方、記録的短時間大雨情報は、気象庁が基準に基づいて発表する正式な防災情報です。
局地豪雨から情報が出ることはある
局地的な積乱雲による雨でも、その地域の基準を超える猛烈な雨になれば、記録的短時間大雨情報が発表される場合があります。
大雨特別警報がなくても危険?
危険です。
特別警報が出ていないことを「安全」と考えてはいけません。
記録的短時間大雨情報の時点ですでに異常な雨
その地域で数年に一度程度しかない猛烈な雨が発生しています。
道路冠水や河川増水などが急速に起きる可能性があります。
キキクルの危険度を見る
特別警報の有無だけではなく、現在地周辺のキキクルの色や自治体の避難情報を確認してください。
発表されたときに確認したい3つの情報
記録的短時間大雨情報を見たら、雨量の数字だけを見るのではなく、次の情報も確認します。
1.キキクル
土砂災害・浸水・洪水について、自宅や現在地周辺の危険度を確認します。
2.自治体の避難情報
高齢者等避難、避難指示などが発令されていないか確認します。
3.河川水位・洪水情報
川の近くでは、河川水位や洪水キキクル、指定河川洪水予報なども確認します。
▶ 洪水キキクルとは?色の意味と警戒レベル・見方をわかりやすく解説
大雨が長引いているときはさらに注意
数日間雨が続いている中で記録的短時間大雨情報が出た場合、危険性は短時間雨量だけでは判断できません。
すでに土に大量の水がたまっている
長雨で土壌雨量指数が高くなっているところへ猛烈な雨が加われば、土砂災害の危険度が急激に高まることがあります。
川も高い水位になっている場合がある
流域全体ですでに大量の雨が降っていれば、河川水位が高くなっている可能性があります。
追加の短時間豪雨によってさらに水位が上昇する場合があります。
▶ 大雨が何日も続くのはなぜ?秋雨前線が停滞する仕組みと長雨の危険性を解説
停電にも備えて情報手段を確保する
猛烈な雨では停電が発生する場合もあります。
スマートフォンを充電しておく
キキクルや避難情報を確認するためにも、モバイルバッテリーなどを準備しておくと役立ちます。
防災ラジオなど複数の手段を用意
通信障害やスマートフォンの電池切れに備え、ラジオなど別の情報手段もあると安心です。
記録的短時間大雨情報についてよくある質問
記録的短時間大雨情報とは何ですか?
その地域で数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測または解析したときに気象庁が発表する情報です。
何mm降ったら発表されますか?
全国一律ではありません。
地域ごとに、数年に一度程度の発生頻度となる1時間雨量を基準として設定しています。
100mm降ったら必ず発表される?
必ずではありません。
地域ごとの基準値によって異なります。
線状降水帯と同じですか?
違います。
記録的短時間大雨情報は短時間雨量、線状降水帯は発達した積乱雲が列をなして同じ場所へ雨を降らせ続ける現象に注目した情報です。
情報が出たら必ず災害が起きる?
必ずではありません。
ただし、その地域では数年に一度程度の猛烈な短時間雨が降っているため、災害危険度が急速に高まる可能性があります。
大雨特別警報が出ていなければ安全?
安全とは言えません。
記録的短時間大雨情報が出るような雨自体が非常に危険です。キキクルや自治体の避難情報を確認してください。
出たら川を見に行ってもいい?
行かないでください。
短時間豪雨では中小河川が急激に増水する場合があります。川の状況はオンラインの河川情報などで確認してください。
まとめ|記録的短時間大雨情報は「その地域ではめったにない猛烈な雨」のサイン
記録的短時間大雨情報についてまとめると、
- 数年に一度程度しかない短時間大雨を知らせる情報
- 観測雨量または解析雨量をもとに発表される
- 発表基準は地域によって異なる
- 全国一律100mmが基準ではない
- 1時間100mmは気象庁では「猛烈な雨」
- 道路冠水・内水氾濫が急速に進む可能性がある
- 中小河川が急増水する場合がある
- 長雨の後では土砂災害にも特に注意が必要
- 線状降水帯とは別の情報
- 線状降水帯がなくても発表される場合がある
- 情報が出ても必ず災害になるわけではない
- 大雨特別警報がなくても危険
- キキクル・河川情報・自治体の避難情報を合わせて確認する
ということになります。
ニュースで、
「○○市付近で約100mm」
「記録的短時間大雨情報」
と聞くと、数字だけに注目してしまいがちです。
しかし本当に重要なのは、
その地域では数年に一度程度しかない規模の猛烈な雨が、すでに現実に降っている
ということです。
そして災害の種類は場所によって違います。
低い土地では浸水、川沿いでは洪水、山や崖の近くでは土砂災害の危険が急激に高まる可能性があります。
記録的短時間大雨情報が発表されたら、雨量の数字を見るだけで終わらず、キキクルや河川情報、自治体の避難情報を確認してください。
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