台風の中心が通過すると、「これで台風は終わった」と思ってしまいがちです。
ところが実際には、
- 雨が弱くなったのに風だけ強い
- 台風通過後の方が風が強くなった
- さっきと反対方向から暴風が吹いてきた
- 台風が遠ざかっているのに停電した
といったことがあります。
なぜ台風が過ぎた後まで強風が続くのでしょうか。
結論からいうと、台風の中心が通過しても、その地点がすぐ強風域や暴風域の外へ出るわけではないからです。
さらに中心が通過すると、今度は台風の反対側を回る風が吹いてくるため、風向きが大きく変わります。
特に台風の目が通過した場合、静かだった時間の直後に反対方向から強い風が吹くことがあり、これを一般に「吹き返し」と呼びます。
この記事では、台風通過後も風が強い理由、吹き返しの仕組み、風向きが変わる理由、屋根や停電への影響までわかりやすく解説します。
- 台風が過ぎたのに風が強いのはなぜ?
- 台風の強風域はどれくらい大きい?
- 暴風域とは?
- 「吹き返し」とは?
- なぜ風向きが反対になる?
- 台風の目に入ったら本当に静かになる?
- 目に入った後の方が危険なこともある?
- 風向きはどのように変わる?
- 台風の進行方向右側はなぜ風が強い?
- 左側は安全?
- 台風が遠ざかっているのに風が強まることもある?
- 気圧差も通過後の強風に関係する?
- 台風が温帯低気圧になっても風は強い?
- 吹き返しの実例はある?
- 地形によって通過後の風が強まる?
- 橋の上やトンネル出口も危険?
- ビル街では風が強くなる?
- 台風通過後に屋根が飛ぶこともある?
- 台風通過後に停電することもある?
- 最大瞬間風速も重要?
- 台風通過後に外へ出るのはいつから?
- 雨が止んでも風が強ければ危険?
- 風が強い間は片付けをしない
- 海岸もすぐ安全にはならない
- 「台風一過」なのになぜ風が強い?
- 台風通過後はどの情報を確認する?
- 台風の「過ぎた」を何で判断すればいい?
- 台風通過後も停電に備えておく
- 台風通過後の強風についてよくある質問
- まとめ|台風中心が通過しても「台風の風」はまだ終わっていない
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台風が過ぎたのに風が強いのはなぜ?
台風は巨大な渦だから
台風は中心だけが強風なのではなく、中心から数百kmにわたって強い風を伴う巨大な渦です。
中心通過と強風域通過は別
台風中心が自分の地域を通過しても、その後しばらくは台風後面の強風域の中に入っている場合があります。
そのため「中心が通過した=すぐ無風」にはなりません。
台風の強風域はどれくらい大きい?
風速15m/s以上の範囲が強風域
気象庁では、風速15m/s以上の風が吹いている、または吹く可能性がある範囲を強風域としています。
大型台風では半径500km以上
強風域の半径が500km以上800km未満なら「大型」、800km以上なら「超大型」です。
中心が過ぎても強風域が非常に大きければ、長時間強い風が続くことがあります。
暴風域とは?
風速25m/s以上の領域
台風情報では、風速25m/s以上の風が吹いている、または吹く可能性がある範囲を暴風域と呼びます。
中心通過後も暴風域に残る場合がある
台風が通り過ぎたように感じても、まだ暴風域の後半部分に入っていれば猛烈な風が続く可能性があります。
「吹き返し」とは?
台風通過後に反対方向から吹く強風
台風は北半球では反時計回りに風が吹き込んでいます。
台風中心が自分のいる場所を通過すると、台風との位置関係が逆になるため、風向きも大きく変わります。
特に台風の目が通過すると分かりやすい
目に入ると一度風が急激に弱まります。
しかし目が通過した後には、反対側の眼壁が近づき、今度は反対方向から強い風が吹くことがあります。
なぜ風向きが反対になる?
台風の周囲を風が反時計回りに回っている
例えば台風中心が近づいてくる前と、通り過ぎた後では、自分が台風のどちら側にいるかが変わります。
渦の反対側の風を受けるようになる
中心が通過すると、それまでとは反対側の風が自分の場所へ届くため、風向きが大きく変わります。
これが吹き返しの基本的な仕組みです。
台風の目に入ったら本当に静かになる?
なることがあります。
中心付近は比較的風が弱い
台風のごく中心には「目」と呼ばれる比較的風が弱い領域があります。
場合によっては青空も見える
発達した台風では、目の内部で雨が止まり、空が明るくなることもあります。
▶ 台風の目はなぜ晴れる?中心だけ雲が少なく風が弱い仕組み(準備中)
目に入った後の方が危険なこともある?
あります。
静かになって外へ出てしまう
一時的に雨風が止まると、「台風が過ぎた」と勘違いしやすくなります。
数十分後に再び暴風になる場合がある
反対側の眼壁が到達すると、再び猛烈な風や雨になる可能性があります。
台風の目の静けさは、一時的なものです。
風向きはどのように変わる?
台風中心が自分のどちら側を通過するかによって変わります。
台風中心が西側や北側を通る場合
気象庁によると、一般に風向きは「東→南→西」のように時計回りに変化します。
台風中心が東側や南側を通る場合
逆に「東→北→西」のように反時計回りに変わる場合があります。
実際には地形や建物によって風向きが複雑になることもあります。
台風の進行方向右側はなぜ風が強い?
台風自身の風がある
台風は反時計回りに風が吹いています。
台風そのものも移動している
そこへ台風を移動させる周囲の風が加わります。
進行方向右側では、この2つの風がおおむね同じ方向になるため、風が強くなりやすくなります。
左側は安全?
いいえ。
右側より弱い傾向があるだけ
台風進行方向の左側では風がいくぶん弱くなる傾向があります。
暴風になることは十分ある
強い台風なら左側でも非常に強い風が吹きます。
「台風の左側だから安全」と判断することはできません。
台風が遠ざかっているのに風が強まることもある?
あります。
最も強い風の場所が中心とは限らない
台風の中心そのものは目で風が弱く、その周囲に最も風の強い領域があります。
後から強風帯が通過することもある
中心の位置だけを見ていると、最も強い風がこれから到達するケースがあります。
そのため「中心が自分の地域を通り過ぎた」という情報だけでは安全判断ができません。
気圧差も通過後の強風に関係する?
関係します。
風は気圧差で生まれる
空気は基本的に気圧の高い場所から低い場所へ動こうとします。
等圧線の間隔が狭いと風が強い
台風の周辺では気圧の変化が急なため、台風中心が多少離れても大きな気圧差が残っていれば強風が続く場合があります。
台風が温帯低気圧になっても風は強い?
強い場合があります。
「台風ではなくなった=弱くなった」ではない
台風が温帯低気圧へ変わるのは、最大風速が必ず大きく低下したことを意味するものではありません。
強風域が広がることもある
温帯低気圧へ変化する過程で風の分布が広がり、広い範囲で強風となる場合があります。
台風情報が低気圧情報へ変わった後も警報などを確認する必要があります。
吹き返しの実例はある?
あります。
2002年台風21号
2002年10月1日の台風21号では、関東で台風通過後に強い吹き返しが観測されました。
東京でも最大瞬間風速33.2m/s
気象庁資料では、東京で台風通過後の西北西の風33.2m/s、勝浦では南西の風50.5m/sの最大瞬間風速を観測しています。
「通過した後でも非常に強い風が吹く」ことが実際の観測でも分かります。
地形によって通過後の風が強まる?
強まることがあります。
谷や海峡で風が集中する
周囲を山などに囲まれ、風の通り道が狭くなると、風が強まることがあります。
岬や山の尾根も強風になりやすい
気象庁は、入り江、海峡、岬、谷筋、山の尾根などでは台風の風が強く吹く場合があるとしています。
橋の上やトンネル出口も危険?
危険になる場合があります。
開けた場所は風を受けやすい
橋の上では周囲を遮る建物が少なく、強風を直接受けやすくなります。
トンネル出口で急に横風を受けることもある
トンネル内部では風の影響が小さくても、出口へ出た瞬間に強い横風を受ける場合があります。
台風通過直後の車移動は慎重に判断する必要があります。
ビル街では風が強くなる?
建物の間で風が加速する
高層建物の周囲では、風が狭い空間へ集中して局地的に強くなる場合があります。
風向きも複雑になる
建物にぶつかった風が乱れるため、気象台で観測される風向きとは違う方向から突然強い風が吹くこともあります。
台風通過後に屋根が飛ぶこともある?
あります。
前半の風で屋根が弱っている
台風前半の暴風で瓦や金属屋根の固定が緩んでいる場合があります。
吹き返しで反対方向から力が加わる
そこへ風向きの変わった強風が加わると、傷んでいた屋根材が剥がれる場合があります。
▶ 台風で屋根が飛ぶのはなぜ?強風で住宅が壊れる仕組み(準備中)
台風通過後に停電することもある?
あります。
吹き返しで倒木や飛来物が発生
それまで耐えていた木や屋根材が、風向きの変化や強い瞬間風速によって倒れたり飛んだりすることがあります。
電線や電柱へ接触する
その結果、中心通過後になって新たに停電が発生する場合があります。
▶ 台風で停電するのはなぜ?強風・倒木・電線トラブルの仕組み(準備中)
最大瞬間風速も重要?
非常に重要です。
平均風速よりはるかに強い突風が吹くことがある
台風の風は一定ではなく、短時間に大きく強弱します。
被害は瞬間的な風で起きる場合もある
屋根材、樹木、看板などは一瞬の非常に強い風によって壊れることがあります。
▶ 最大風速と最大瞬間風速の違いは?(準備中)
台風通過後に外へ出るのはいつから?
中心が過ぎた時点では判断しない方が安全です。
警報や強風域を確認する
暴風警報が解除されたか、現在も強風域に入っているかなどを確認します。
周囲の落下物にも注意する
風が弱まった後でも、壊れかけた看板、瓦、枝などが遅れて落下する場合があります。
雨が止んでも風が強ければ危険?
危険です。
雨と風のピークは一致しない
台風では最も強い雨と最も強い風が必ず同時になるわけではありません。
晴れていても暴風になることがある
雨雲が抜けても、台風周辺の強い気圧差や強風域が残っていれば強い風が続きます。
風が強い間は片付けをしない
屋根材や枝が飛ぶ危険
庭や道路を片付けようとしている最中に、別の飛来物が飛んでくる可能性があります。
屋根には絶対に上らない
屋根の破損が気になっても、強風が残っている状態で屋根へ上るのは非常に危険です。
十分に風が弱まり、安全が確認されてから対応してください。
海岸もすぐ安全にはならない
高波が残ることがある
台風が遠ざかった後でも海上には強い風や大きなうねりが残る場合があります。
高潮や越波にも注意
風向きや潮位によっては、中心通過後も高潮や高波への警戒が必要なことがあります。
▶ 台風が近づくと高潮が起きるのはなぜ?海面が上昇する仕組み(準備中)
「台風一過」なのになぜ風が強い?
「台風一過」は、台風通過後に天気が回復して晴れる状況を表す言葉として使われます。
晴天と強風は両立する
雨雲がなくなって晴れていても、気圧配置によっては強い風が残ることがあります。
晴れたから安全とは限らない
特に台風通過直後は、晴天でも倒木や飛来物、高波などへの警戒が必要です。
台風通過後はどの情報を確認する?
警報・注意報
暴風警報や強風注意報が残っているか確認します。
台風の現在位置と強風域
台風中心がどこまで離れたかだけでなく、強風域が自分の地域に残っていないか確認します。
最大瞬間風速の予想も参考になります。
台風の「過ぎた」を何で判断すればいい?
中心位置だけでなく、複数の情報を見ることが重要です。
- 暴風警報が解除されたか
- 強風域・暴風域から抜けたか
- 風のピーク予想が過ぎたか
- 自治体から避難情報が続いていないか
- 高潮・高波・洪水など別の危険が残っていないか
「台風中心が通過した」という一つの情報だけで安全判断しないようにしましょう。
台風通過後も停電に備えておく
吹き返しの強風によって倒木や設備トラブルが新たに発生する場合があります。
台風中心が通過した直後にモバイルバッテリーなどを片付けず、完全に状況が落ち着くまで備えを維持しておくと安心です。
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台風通過後の強風についてよくある質問
台風が過ぎたのになぜ風が強いのですか?
台風中心が通過しても、まだ台風後面の強風域や暴風域の中にいる場合があるためです。
吹き返しとは何ですか?
台風中心の通過後、それまでとは反対方向などから強く吹く風を一般に吹き返しと呼びます。
台風の目に入った後は風が強くなりますか?
はい。
目が通過すると反対側の眼壁が近づき、再び強い風が吹く場合があります。
台風の中心が通過したら外へ出てもいいですか?
まだ強風域や暴風域に入っている可能性があります。
警報や最新の台風情報を確認してください。
台風が遠ざかっているのに風が強くなることはありますか?
あります。
最も風の強い場所は中心そのものではなく周辺にあり、後から強風域が通過する場合があります。
台風が温帯低気圧になれば安全ですか?
必ずしも安全ではありません。
温帯低気圧へ変わっても広い範囲で強風が続く場合があります。
晴れているのに風が強いのはなぜですか?
雨雲が抜けても、台風周辺の気圧差や強風域が残っているためです。
台風通過後も屋根が飛ぶことはありますか?
あります。
前半の強風で弱った屋根へ、風向きの変わった吹き返しが加わると被害が拡大する場合があります。
台風通過後に停電することもありますか?
あります。
吹き返しで倒木や飛来物が発生し、電線や設備へ接触する場合があります。
いつまで強風に注意すればいいですか?
暴風警報や強風注意報が解除され、自分の地域が台風の強風域から外れたことなどを確認するまで注意が必要です。
まとめ|台風中心が通過しても「台風の風」はまだ終わっていない
台風通過後の強風についてまとめると、
- 台風は中心から広い範囲に強風を伴う
- 中心通過と強風域通過は同じではない
- 大型台風では中心通過後も長時間強風が続く
- 台風は北半球で反時計回りに風が吹く
- 中心通過後は風向きが大きく変わる
- 台風の目に入ると一時的に風が弱まる
- 目の反対側では再び猛烈な風になる場合がある
- これが吹き返しと呼ばれる
- 進行方向右側は風が強くなりやすい
- 左側でも暴風になることはある
- 地形によって局地的に風が強まる
- 橋・岬・海峡・谷・ビル街なども注意
- 通過後に屋根被害や停電が発生することもある
- 晴れていても強風は続くことがある
- 中心位置だけで安全判断しない
となります。
台風が過ぎたのに風が強い理由で最も重要なのは、「台風の中心」と「強風の範囲」は別物だという点です。
台風中心が通過しても、その後ろ側にはまだ強い風があります。
さらに台風の渦の反対側へ入ることで風向きが変わり、再び猛烈な風が吹くことがあります。
雨が止んだり、空が晴れたりしても、すぐに屋外へ出たり屋根を確認したりせず、暴風警報や強風域などの最新情報を確認することが重要です。
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