冬になると、天気予報で「南岸低気圧の影響で関東でも大雪になるおそれがあります」と聞くことがあります。
東京や関東は、日本海側のように毎日のように雪が降る地域ではありません。
それなのに、南岸低気圧が通ると一気に雪が積もり、鉄道や高速道路、飛行機などへ大きな影響が出ることがあります。
そこで、
- 南岸低気圧とは何?
- なぜ東京や関東で雪になる?
- 低気圧が南を通るだけで大雪になるのはなぜ?
- 雨になる場合と雪になる場合は何が違う?
- 低気圧の進路が少し変わるだけで予報が変わるのはなぜ?
- 暖冬でも南岸低気圧で大雪になる?
と疑問に思う人も多いでしょう。
結論からいうと、南岸低気圧が関東の南側を通ると、海から大量の水蒸気が運ばれ、そこへ関東平野に残った冷たい空気が重なることで雪になることがあります。
ただし、雪になるか雨になるかは非常に微妙です。
低気圧の進路や発達の程度、地上付近の気温、上空の気温などが少し変わるだけで、東京では「大雪」「みぞれ」「雨」と結果が大きく変わることがあります。
この記事では、南岸低気圧の仕組み、関東で大雪になる理由、なぜ雪予報が難しいのかまでわかりやすく解説します。
- 南岸低気圧とは?
- 東京・関東で大雪になるのはなぜ?
- 関東の雪に「冷たい空気」が重要なのはなぜ?
- なぜ関東平野に冷たい空気が残る?
- 南岸低気圧の進路で雨か雪かが変わるのはなぜ?
- 大雪になる「ちょうどいい進路」がある?
- 東京の雪予報が難しいのはなぜ?
- 降り始めは雨でも途中から雪になるのはなぜ?
- 雪が降っているのに積もらないことがあるのはなぜ?
- 東京で数cmの積雪でも交通が乱れるのはなぜ?
- 積雪10cm・15cmは東京では多い?
- 暖冬でも南岸低気圧で大雪になる?
- エルニーニョと南岸低気圧の大雪は関係ある?
- 南岸低気圧では雨量・降雪量も重要?
- 南岸低気圧が来る前に何を確認する?
- 南岸低気圧による大雪に備えて確認したいもの
- 南岸低気圧についてよくある質問
- まとめ|南岸低気圧による関東の大雪は「水蒸気」と「地上の冷気」が重なると起こる
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南岸低気圧とは?
南岸低気圧とは、日本列島の南側、特に本州の南岸付近を東へ進む低気圧を指します。
冬から春にかけて、太平洋側に雨や雪を降らせる代表的な気圧配置の一つです。
日本の南側を西から東へ進む
南岸低気圧は、東シナ海や日本の南西側で発生・発達し、本州の南岸付近を通って東へ進むことがあります。
この進路を取ると、低気圧の北側に位置する関東や東海などで広く降水が起こりやすくなります。
冬は雨ではなく雪になることがある
同じ低気圧でも、春や秋なら雨になることが多くあります。
しかし冬に関東平野へ冷たい空気が残っていると、降ってくる雪が地上まで溶けずに届き、平地でも積雪することがあります。
東京・関東で大雪になるのはなぜ?
関東で雪が積もるには、大きく二つの条件が必要です。
「雪の材料となる水蒸気」と「雪を溶かさない寒さ」です。
南岸低気圧が大量の水蒸気を運ぶ
低気圧の周辺では、南や東の海上から暖かく湿った空気が流れ込みます。
この水蒸気が雲を発達させ、関東へ雨や雪を降らせる材料になります。
関東平野に冷たい空気が残ると雪になる
関東の地上付近に十分冷たい空気が残っていると、上空から降ってくる雪が途中で溶けにくくなります。
そのため南から水蒸気が供給されていても、地上付近だけは冷たいという状態ができると、大雪になることがあります。
関東の雪に「冷たい空気」が重要なのはなぜ?
雪は雲の中では氷の結晶として作られます。
しかし地上まで降りてくる途中の空気が暖かいと、雪は溶けて雨になります。
上空で雪でも地上では雨になることがある
冬の雲の中では、地上の天気が雨でも雪の結晶が作られている場合があります。
その雪が落下する途中に暖かい層を通ると溶け、地上では雨として観測されます。
地上まで冷たい層が残ると雪のまま届きやすい
逆に上空から地上付近まで低温の空気が広がっていれば、雪は溶けにくくなります。
関東で大雪になるかどうかは、この地上付近の冷たい空気がどれだけ残るかが非常に重要です。
なぜ関東平野に冷たい空気が残る?
南岸低気圧が近づくと、上空では南から暖かい空気が入りやすくなります。
それでも地上付近では冷たい空気が残ることがあります。
関東の北や内陸から冷気が流れ込む
関東平野の北側や内陸部に冷たい空気がたまっていると、その空気が地表付近へ広がることがあります。
冷たい空気は暖かい空気より重いため、地面付近に残りやすい特徴があります。
上空は暖かくても地表付近だけ寒いことがある
その結果、上空には南から暖かく湿った空気が入り、地表付近には冷気が残るという二層構造になることがあります。
この冷気がどこまで維持されるかで、関東の雨・雪予報が大きく変わります。
南岸低気圧の進路で雨か雪かが変わるのはなぜ?
南岸低気圧による関東の雪では、「低気圧がどこを通るか」が非常に重要です。
進路がわずかに変わるだけでも、関東へ入る空気の温度が変わることがあります。
低気圧が近すぎると暖気が入りやすい
低気圧が本州に近いコースを進むと、関東へ南から暖かい空気が流れ込みやすくなります。
地上付近の気温が上がれば、雪ではなく雨になる地域が増えることがあります。
低気圧が離れすぎると降水そのものが少なくなる
反対に低気圧が南へ離れすぎると、冷たい空気は残りやすくても、関東まで十分な水蒸気や雲が届かないことがあります。
そのため雪になる寒さがあっても、そもそも降水量が少なく、積雪が増えない場合があります。
大雪になる「ちょうどいい進路」がある?
関東で大雪になるには、低気圧が近すぎても遠すぎても条件が悪くなることがあります。
十分な水蒸気を運びながら、地上付近の冷気を残せる位置を通る必要があります。
水蒸気と寒気が同時に必要
雪を大量に降らせるには、寒いだけでは足りません。
南岸低気圧が十分な水蒸気を運び、なおかつ関東平野に冷たい空気が残ることで、まとまった雪になります。
わずかな進路差で条件が崩れる
低気圧の中心が数十kmから100km程度ずれるだけでも、暖気や降水域の入り方が変わることがあります。
そのため関東の雪予報では、直前まで降雪量の予想が変化することがあります。
東京の雪予報が難しいのはなぜ?
東京の雪予報は、他の天気現象と比べても難しいと言われることがあります。
その大きな理由が、雨と雪の境目付近の気温になりやすいことです。
気温が少し違うだけで雨・みぞれ・雪が変わる
地上付近の気温がわずかに高ければ、雪が途中で溶けて雨やみぞれになります。
反対に予想より気温が低くなれば、雪として降る時間が長くなり、積雪量が急増することがあります。
雪が降ることでさらに気温が下がることもある
雪や雨が降り始めると、降水粒子の蒸発や融解などによって周囲の空気から熱が奪われ、気温が下がる場合があります。
そのため最初は雨やみぞれでも、次第に雪へ変わることがあります。
降り始めは雨でも途中から雪になるのはなぜ?
南岸低気圧では、降り始めの天気がそのまま最後まで続くとは限りません。
雨から雪、雪から雨へ変わることがあります。
降水によって地上付近の空気が冷える
雨粒や雪が落下する過程で、蒸発や融解が起こると周囲の熱が使われます。
その結果、地表付近の気温が次第に低下し、雨だった場所でも雪へ変わる場合があります。
風向きの変化でも気温が変わる
低気圧の移動に伴って地上の風向きも変化します。
冷たい風が流れ込み始めれば雪へ変わり、暖かい風が強くなれば雪から雨へ変わることがあります。
雪が降っているのに積もらないことがあるのはなぜ?
雪が降ることと、地面に積もることは同じではありません。
東京では雪が降っていても、道路にはほとんど積もらない場合があります。
地面の温度が高いと雪が溶ける
地上の気温が低くても、道路や地面に熱が残っていれば、降った雪がすぐに溶けることがあります。
特に降り始めは積雪しにくく、気温低下とともに次第に積もり始めることがあります。
降る強さが積雪を左右する
弱い雪では、降ったそばから溶けてしまうことがあります。
一方、強い雪が長時間続くと、溶ける速さを上回って雪が積み重なり、道路でも短時間に白くなることがあります。
東京で数cmの積雪でも交通が乱れるのはなぜ?
雪国と比べると少ない積雪でも、東京などでは大きな交通障害が発生することがあります。
これは都市の設備や交通量などが関係しています。
雪に慣れていない車が多い
冬用タイヤやタイヤチェーンを装着していない車が多い地域では、少しの積雪でも坂道を上れなくなる車が出ることがあります。
一台が動けなくなるだけでも道路全体の渋滞につながる場合があります。
鉄道や航空にも影響が広がる
鉄道ではポイント部分への着雪や速度規制などによって遅延・運休が発生することがあります。
空港でも除雪や機体の着氷対策が必要になるため、広い範囲の交通へ影響が出ることがあります。
積雪10cm・15cmは東京では多い?
積雪量の影響は地域によって大きく異なります。
雪国では珍しくない数字でも、普段雪が少ない都市部では大きな影響につながります。
同じ10cmでも地域によって意味が違う
積雪への備えが整っている地域と、ほとんど積雪しない地域では、同じ雪の深さでも生活への影響が違います。
そのため積雪量を見るときは、数字だけでなく地域の雪への慣れや交通環境も考える必要があります。
積雪の体感は「どれくらいサイト」で詳しく見る
このサイトでは、南岸低気圧によって関東で大雪になる「仕組み」を中心に解説しています。
積雪5cm・10cm・15cm・30cmが実際どの程度の深さで、車や徒歩にどのような影響が出るのかは、姉妹サイト「どれくらいサイト」で詳しく紹介予定です。
▶ 積雪5cmはどれくらい?車・徒歩への影響(準備中)
▶ 積雪10cmはどれくらい?車は走れる?(準備中)
▶ 積雪15cmはどれくらい?(準備中)
暖冬でも南岸低気圧で大雪になる?
なります。
暖冬と一度の大雪は矛盾しません。
暖冬は冬全体の平均気温
暖冬とは、冬の数か月間を平均した気温が平年より高いという意味です。
その途中に数日だけ気温が低くなり、南岸低気圧が通れば大雪になる条件がそろうことがあります。
大雪は数時間から数日の条件で決まる
南岸低気圧による大雪は、低気圧が通る数時間から一日程度の気温や進路などによって決まります。
そのため冬全体が暖かくても、一度だけ大雪になることがあります。
▶ 暖冬なのに大雪になるのはなぜ?気温が高い冬でも雪が降る仕組みを解説
エルニーニョと南岸低気圧の大雪は関係ある?
エルニーニョ現象が発生している冬でも、南岸低気圧による大雪は起こり得ます。
ただし「エルニーニョだから東京で大雪になる」と単純に判断することはできません。
エルニーニョは季節全体の気圧配置に影響する
エルニーニョ現象は熱帯太平洋の海面水温を通じて、大気の流れや偏西風などへ影響します。
その結果、日本の冬の気温や降水の傾向が平年とは変わることがあります。
個別の大雪はその時の低気圧と寒気で決まる
実際に東京で雪になるかどうかは、南岸低気圧の進路、地上付近の冷気、上空の気温などによって決まります。
エルニーニョは背景条件の一つであり、個々の大雪を直接決めるものではありません。
▶ エルニーニョ現象とは?なぜ日本で暖冬や大雪が起こることがあるのか仕組みを解説
南岸低気圧では雨量・降雪量も重要?
雪になるかどうかだけでなく、どれほどの量が降るかも重要です。
同じ雪でも、弱い雪が短時間で終わる場合と、強い雪が長く続く場合では積雪量が大きく違います。
水蒸気が多いほど降水量が増える可能性がある
低気圧が発達し、海上から大量の水蒸気が流れ込むと、雨や雪の量が増える場合があります。
気温が十分低ければ、その降水が雪として積もり、短時間で積雪が増えることがあります。
降雪量と積雪は同じではない
新しく降った雪の量と、地面に残っている積雪の深さは一致しない場合があります。
雪は溶けたり沈んだりするため、大雪情報を見るときは降雪量と積雪の両方を確認すると分かりやすくなります。
▶ 降雪量と積雪量の違いは?同じ10cmでも違う?(準備中)
南岸低気圧が来る前に何を確認する?
関東で大雪が予想される場合は、雪が積もってから対策を始めるのではなく、事前に準備することが重要です。
特に普段雪が少ない地域では、短時間の積雪でも交通が混乱することがあります。
最新の降雪予報と交通情報を見る
南岸低気圧の進路や気温予想は変化することがあります。
前日の予報だけで判断せず、当日の気象情報や鉄道・道路・航空の運行情報を確認します。
不要不急の車移動を避けられるようにする
雪が積もった道路では、ノーマルタイヤの車が動けなくなることがあります。
大雪が予想される場合は、車での移動そのものを減らせないか早めに検討することが重要です。
南岸低気圧による大雪に備えて確認したいもの
雪の予報が出てから店舗へ行くと、雪かき用品などが品薄になることがあります。
普段雪が少ない地域でも、冬の間は最低限の雪対策用品を確認しておくと安心です。
徒歩・自宅周辺の雪対策
雪が積もった歩道や階段では転倒の危険が高まります。
滑り止め用品や雪かき用スコップなど、自宅周辺で必要になる物を確認しておきましょう。
停電や外出困難にも備える
大雪によって交通が止まったり、着雪や倒木などで停電したりする場合があります。
スマートフォンの充電手段やライト、飲料水なども用意しておくと安心です。
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南岸低気圧についてよくある質問
南岸低気圧とは何ですか?
日本列島の南岸付近を東へ進む低気圧です。
冬に通過すると、関東など太平洋側へ雨や雪を降らせることがあります。
なぜ東京で大雪になるのですか?
南岸低気圧から大量の水蒸気が供給され、関東平野の地上付近に冷たい空気が残っていると雪になります。
その雪が強く長く降れば、東京でも積雪が増えることがあります。
南岸低気圧が来れば必ず雪になりますか?
必ずではありません。
地上付近の気温が高ければ雨になりますし、低気圧が南へ離れすぎれば降水量が少なくなることがあります。
なぜ東京の雪予報は変わりやすいのですか?
東京は冬でも雨と雪の境目付近の気温になることが多いためです。
低気圧の進路や気温がわずかに変わるだけで、雨・みぞれ・雪が変化します。
降り始めが雨なら大雪になりませんか?
途中から雪へ変わることがあります。
降水によって地上付近の空気が冷えたり、風向きが変わって冷気が強まったりすると、雨から雪へ変わる場合があります。
暖冬なら南岸低気圧でも雪にならないですか?
暖冬でも雪になることがあります。
暖冬は冬全体の平均気温の話なので、低気圧が通過するタイミングだけ十分寒ければ大雪になる可能性があります。
エルニーニョの冬は南岸低気圧で大雪になりますか?
エルニーニョだけでは判断できません。
実際の雪は低気圧の進路、地上付近の冷気、上空の気温など複数の条件で決まります。
まとめ|南岸低気圧による関東の大雪は「水蒸気」と「地上の冷気」が重なると起こる
南岸低気圧と関東の大雪についてまとめると、
- 南岸低気圧は日本の南岸付近を進む低気圧
- 冬には関東など太平洋側で雪を降らせることがある
- 低気圧が海から大量の水蒸気を運ぶ
- 関東平野に冷たい空気が残っていると雪になりやすい
- 雪には寒気と水蒸気の両方が必要
- 低気圧が本州へ近すぎると暖気が入り雨になりやすい
- 南へ離れすぎると降水そのものが少なくなる場合がある
- わずかな進路差で雨・みぞれ・雪が変わることがある
- 東京は雨と雪の境目付近の気温になりやすい
- 降水によって気温が下がり雨から雪へ変わることがある
- 雪が降っても地面が暖かいと積もらないことがある
- 強い雪が続けば都市部でも短時間で積雪する
- 暖冬でも南岸低気圧による大雪は起こり得る
- エルニーニョだけで東京の大雪を判断することはできない
- 数cmの積雪でも都市部では交通への影響が大きくなることがある
ということになります。
関東の大雪で重要なのは、「寒いから雪になる」という単純な仕組みではありません。
寒気だけでは雪は大量に降らず、水蒸気だけでは雨になってしまう場合があります。
南岸低気圧が大量の水蒸気を運び、同時に関東平野の地表付近へ冷たい空気が残ることで、東京などでも大雪になる条件がそろいます。
そして東京は雨と雪の境目になりやすいため、低気圧の進路や気温のわずかな違いで積雪量が大きく変わります。
南岸低気圧による大雪が予想される場合は、前日の予報だけでなく最新の降雪予想や交通情報を繰り返し確認することが重要です。
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▶ 積雪15cmはどれくらい?(準備中)

